第9話 思った時に行動できるのも今だけ
ルドルフさんと合流後、とりあえず今日泊まる予定だった町まで行くことに。
幸いにも子供たちはそこの町の子だった。
予定より少し遅れたが無事に町に到着。
ハージノ町の同じくらいの小さな町。名前はヤンの町。
なんでもここに町を作ろうと言いだしたのがヤンという人でそのまま町の名前になったのだとか。
誘拐犯は衛兵に渡したが、残念ながら賞金首はいなかったみたいで、少しばかりのお金しか貰えなかった。
そのまま冒険者ギルドへ行き、魔物の素材などを売る。まぁまぁの稼ぎになったな。
優先的に魔物を倒させてくれた蒼炎の皆さんに感謝。せめて今日は俺がみんなにご飯をご馳走してあげよう。
バッツの妹、カリーと一緒にいた女の子も無事に家族の元へ帰すことができお礼をと全財産を渡そうとしてきたが、断り、気持ちばかりの食糧だけもらうことに。
バッツとカリーはすでに両親が亡くなっていて2人でなんとか生活している状態。バッツは俺と同じ12歳で冒険者をして生活費をなんとか稼いでいた。
子供だと思っていたら俺と同い年だったなんて…せっかくなのでバッツとカリーも誘ってみんなでご飯にした。食堂はルドルフさんの行きつけのお店へ。
「それにしてもロドニー、お前どんだけ強いんだよ。ほぼ無敵なんじゃねぇか?」
「ランスさん、正直自分がどこまで強いかよく分からないんですよね…比較対象がいなかったので」
「なんか嫌味に聞こえてくるわ」
周りが笑い出す
「皆さん、しつこいけど、妹を助けてくれてありがとう、です」
「バッツ、助けたのはロドニーで俺たちは何もしてない」
「それでも…」
「それにしても君がロドニーと同い年なことに驚きよ」
「ちょっとリーナさん、僕そんなに老けて見えます?」
「そうね。老けてると言うよりかはどこか大人びてるのよね〜」
「それ、少し、分かる」
「ちょっとライラさんまで…」
食事の時間も終わり、それぞれの部屋に。
「ロドニー、さん」
「バッツ、ロドニーでいいよ。どうした?」
「そうか。ロドニー、俺を鍛えてくれ!!」
「へ?」
いや、俺ハーレム作りたいんだけど…
「たのむよ!!俺、妹、カリーを守る力が欲しいんだ」
まぁ俺にも今は妹がいるから気持ちは分からんでもないが…ん〜。
「ふぉっふぉっふぉっ。ワシは多少人数が増えても構わんぞ」
「ちょ、ルドルフさん、そんな急に?」
「なに、急もなにも、思った時に行動できるのは若いうちだけじゃぞ」
「わ、私も強くなりたい!!」
カリーちゃんまで出てきてしまった…
「はぁ〜。分かったよ。実際に強くなるかどうかはお前達次第だ」
「ありがとう!!」
「ならお前達、荷物まとめて明日からもよろしく。時間に遅れたら置いていくからな」
翌日、時間通りにやって来たので出発。
俺は2人にずっと魔力操作をやらせた。食事してようが何してようかずっと魔力操作。
夜はひたすら魔力放出。魔力切れで倒れ、起きたらまた魔力操作。
時間のある時には魔法陣について覚えてもらった。ちなみにリーナさんとライラさんも参加。本だけでは分からない知識だと喜んでくれた。
魔法陣をちゃんと理解すれば色んな応用が効くからな。
そんなこんなで無事に目的地、グランデに到着。この世界に来て初めての大きい街。
ハージノ町の10倍以上あるな…迷子にならないようにしよ…
みんなでギルドへ行き報告。
無事にCランクに昇格できた。
「ルドルフさん、蒼炎のみなさん、短い間でしたがお世話になりました」
「ふぉっふぉっふぉっ。ワシはこの街にあるワーグ商会に居ることが多いから、何か必要な物とかあったらよろしくの」
「はい。しばらくこの街にいるのであとで寄りますね」
「色々とありがとなロドニー」
「楽しかったぞ」
「私たちもこの街が拠点だからよろしくね」
「ロドニー、魔法陣また教えて」
「皆さん、ありがとうございました」
とりあえずオススメしてもらった宿へ、バッツとカリーと行き、2部屋とる。
今回、護衛での稼ぎは無いが、魔物で少しは稼げたのでしばらく大丈夫。
バッツたちはお金出すと言っていたが、強くなって稼げるようになったら返してと言っておいた。
バッツも冒険者登録はしていたが、まだFランク。とりあえずしばらくの間、俺はCランクのクエストをソロでやって、バッツはFランクのクエストをやることに。
カリーには回復魔法をメインに教え、1人の時はひたすら練習することに。たまにルドルフさんのとこに行って回復魔法を使いながらマッサージしてあげるのもいいかもな。
ある程度の方針を決め解散。
2人と出会ってまだ5日しか経ってないが、真面目に魔力放出、魔力操作をやっているおかげか、少しは魔法の使い方が上手に。
2人も目に見えた結果が出て、やる気もさらにUPした。
翌日、俺は1人でルドルフさんのお店へ行き装備を整えることに。
ワーグ商会は最近王都にもお店を出したりと今勢いに乗ってる商店らしく、日用品から色んな品揃えがあり、普通に見てるだけでも楽しかった。
やっぱり魔法が得意ってことが痛いほど分かったので、装備も魔法のローブみたいなやつを選んだ。杖も買うか迷ったが、やめた。
「ふぉっふぉっふぉっ。ロドニー君、さっそくありがとの」
「ルドルフさん、こんなに大きい店だったんですね!!びっくりしました」
「いやいや、たまたま運が良かったんじゃよ。そうだ。これをおぬしにあげよう。受け取ってくれ」
解体用のナイフだ。
「これ、いいんですか⁉︎素人目にもかなり良いやつに思うのですが」
「なぁに、あのマッサージのお礼とでも思ってくれ。それに、おぬしの将来への投資じゃよ」
「なるほど。ならありがたく受け取っておきますね」
「うむ。これからもワーグ商会をご贔屓に」
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