第7話 マッサージで心を許せばその先に
「おい、朝だぞ。起きろ」
「ランスさん、おはようございます」
「おぅ」
ほぼ地面みたいなとこで寝たせいか体が痛い…自分にかるくヒールをかけると少し良くなった。
なんかマットみたいなのを持ち運ぶか、空気でエアマットを作る魔法を考えるか…魔力消費がどのくらいになるか…
いや、普通に空気で膨らますマットを作った方がいいか。魔法で空気の出し入れをして持ち運びも便利。問題は素材だな…スライムみたいな…ん〜グランデの街についたら色々見てみよう。
朝ごはんは干し肉と硬いパン。
アイテムボックスに色々入ってるが、目立つといけないので皆んなと同じ食事にしている。
ルドルフさんも硬いパンを普通に食べてる…この世界の人はみんな歯が強いな…
ご飯が終わり、出発。
しばらく進んでると魔力探知に反応が。
「ランスさん、この先に魔物の反応がありますね。おそらく5体」
「本当か?リーナ、おまえはどうだ?」
「そうね。数までは分からないけど反応はあるわ」
警戒しながら進むといたのはオーク。
「オークか。おいロドニー、何体までいける?」
「全部いけますよ」
「5体だぞ⁉︎まぁいい。きつそうだったらカバーしてやる」
「ありがとうございます」
まぁ俺の実力を図るためでもあるんだろうから、少し工夫して倒してみるか。
俺は自分の頭上に魔法陣を4個展開。
火、水、土、雷、4つの属性の玉をオークの頭に向かって飛ばした。
あっという間に4体のオークの頭がふっとび残り1体。
残りの1体に向かって走りだし、オークの攻撃を受け流して懐に入る。
オークの腹にそっと手を当てて振動魔法を発動。あらゆる所から血を流して倒れた。
「こんなもんか。さて、このオークどうしましょうか?」
「………」
なぜかみんな黙って俺を見つめている
「あの…このオーク…」
「お、おぉ。解体手伝うよ」
ランスさんの声でみんな動き出した。
「ふぉっふぉっふぉっ。ロドニー君すごいの。5体のオークがあっという間に」
「ルドルフさん。自分の実力を証明するために少しはりきっちゃいました」
「ふぉっふぉっふぉっ。これなら何があっても安心じゃな」
「何もないのが1番ですけどね。ちゃっちゃと解体するのでちょっとだけ待ってて下さい」
さすがはBランクパーティー。蒼炎のみなさんがあっという間に解体を終わらせて出発。
なぜかライラさんが俺の袖を掴んできた。
「あの、ライラさんどうしました?」
「…どうやったの…」
「な、何をですか?」
「…4属性同時に」
「あぁあれですか。暇な時に練習してたらできるようになりました。」
そう言って人差し指を上に向けて小さい火を出す。
「次は中指に違う属性、薬指にも違う属性って練習したら出来るようになります」
指5本とも違う属性を出して見せた。
「あなた頭おかしい。普通同時に2属性操れたら天才、同時に3属性は賢者。今あなたは5属性も同時に……バケモノ……」
そうだったのか⁉︎ちょっと、いや、だいぶやりすぎたかもしれないな…
「そ、そうなんですか⁉︎いや練習したら誰でも出来るようになりますって…たぶん」
「無理。頭がパンクするし魔力操作が難しすぎる…」
「僕は小さいころから魔力操作とこの属性同時に出す練習を毎日してますから。ライラさんもやってれば出来るようになると思います」
「ん…少し練習してみる…」
「はい。よかったら一緒にやりましょう」
ライラと話していたらエンリケさんも会話に入ってきた。
「ロドニー、俺にも教えて欲しいんだが、最後のオーク、解体した時に内臓がすべてボロボロだった。あれはどういうことだ?」
「振動魔法を使いました」
「振動魔法?」
「えっと、ちょっと手を出してもらっていいですか?」
俺はエンリケさんの手に自分の手を重ね。軽く振動魔法を使う。
「震えてる」
「そうです。今は軽くやってるだけなんですけど、これを強力にすると体の中に直接ダメージを与えられるんですよね。人も魔物も体の中までは鍛えられないですから。いや、ゴーレムとかには効かないな…」
「たしかに、外皮がどれだけ硬くてもこの魔法なら関係ないと…恐ろしい魔法だ」
「使い方次第ですね。ちょっと失礼します」
そう言って俺はエンリケさんの魔力の流れが悪いところに手を当てて軽く振動魔法を使う。マッサージというやつだ。
この世界の人生で1番練習したのがこの人体を傷つけない加減だ。
なぜかって?それはもちろん夜、女性を喜ばせるためだ!!
でもその前に女性を口説くには俺はまだ幼いな…くっ…
「どうですか?エンリケさん」
「おぉ。体が軽くなった。これは良いな」
「魔力の流れが悪いとこをほぐして流れを良くしてみました」
「なるほど。振動魔法。恐ろしい魔法だが使い方次第ということが分かった」
「ロドニー、私にもその魔法教えて」
「ん〜そうですね。この魔法けっこう危ないので、ライラさんが3属性同時に操れるようになったら教えますよ」
「……ケチ」
「いや、本当に魔力操作がシビアなので危ないんです」
「…分かった」
その日の夜、俺はみんなにマッサージをすることになった。
なんだかんだでルドルフさんが1番喜んでくれた。
俺マッサージ屋さん開けば良いのでは?
女性も触れるし、なんならそのまま……
いやいやいや、落ち着け、それは最後の手段だ。何をもって最後と言うのかは知らんけど…
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