第5話 両親の強さ

 戦士か魔法使いの装備か…まぁ考えても仕方ないからザ初心者です装備で揃えた。

 今までのお店の手伝いの給料として少しずつ貯めてたお金があるのでもっと良い装備も買えたが、あせらず行こう。


 次の日。朝早く起きてギルドへ向かう。

まずは初心者らしく薬草採取にでも行こう。

 受付のサニーさんに薬草のある場所を教えてもらいさっそく出発。


 鑑定なんて魔法使えたら良かったのだが無理だった。きっとあれは魔法ではなくスキルなんだ。スキルの無いこの世界では使えない。そう無理やり納得することに。


 教えてもらった場所で薬草探し、それらしき物は全部アイテムボックスへ投入。時間停止もばっちりしてある。


 魔物に遭遇しないか少しドキドキしてたが何事もなく終了。音魔法を試してみたかったのでちょっと残念。ギルドに戻りサニーさんのとこへ向かう。


「あらロドニー君おかえりなさい」

「サニーさんただいま。薬草取ってきたんですけど、どこに出せばいいですか?」

「えっ?薬草なんて持ってないじゃない」

「アイテムボックスが使えましてその中に」


 そう言って薬草を一つ出して見せる


「え⁉︎今どこから⁉︎」

「アイテムボックスです。空間魔法で作ったんですよ」


 気のせいかシーンとなって周りにいた冒険者が俺を見ている…


「……ちょっと来なさい!!」


 サニーさんにギルドマスターの部屋へ連れて行かれる。


「マスター、ロドニー君が空間魔法を使えるみたいです!!ロドニー君冗談じゃないわよね?」

「冗談じゃないんですけど…冗談だった方が良かった感じですか?」


 ギルドマスターのロドリゲスさんは何かを悟ったかのような顔を向けてくる。


「まぁあいつらの子供だからな…」

「あの、ロドリゲスさん、あいつらの子供だからって言ってますけど…父さんと母さんってそんなすごい冒険者だったんですか?」


「おまっ…何も聞いてないのか?」

「聞いても教えてくれないんですよ…」

「まぁそれもそうか。まぁなんだ、あいつらが言わないなら俺が言うのも違うが、ロドニー、お前の両親は、やべぇ強さをもってる冒険者だったってことは頭に入れておけ」


 何故かサニーさんも驚いている


「あぁ、それとサニー、このことは誰にも言うなよ。あいつらは普通の静かな暮らしをしたくてこの町に来たんだからな」


 なるほど…

それから俺は一般的な冒険者の常識を教えてもらう授業を受けさせられることに…

 一般的に空間魔法や時間停止などは国王専属の魔法使いでも使うのが難しいとされてる魔法らしい…父さんはどっちも使えるんだよな…

 俺がこの世界を楽しめるようにきっと女神様が気を利かせてくれたのだろう。


 ランクが上がるまで、あまり目立つ行動は控えるようにと釘をさされ、ギルドを後にした。


 家に帰るとマリンがお店の手伝いをしっかりとこなしていて、両親も俺は冒険者としてやっていくと分かっているからか、手伝えとは言ってこない。


 ギルドマスターに聞いたことは両親には言わないでおこう。いつか母さんに勝つことが出来たら聞こうと思う。勝てるのかな…


 翌日以降、ゴブリンやオーク、ボアなどの魔物討伐もこなし、討伐証明部位だけ剥ぎ取って残りはアイテムボックスに。

 お店に持って帰って父さんに解体などを習いながら過ごした。もちろん解体した肉などはお店で使ってもらった。

 今まで色々と教えてくれたお礼としてお金はもらっていない。


「ロド」

「なに父さん?」

「お前そろそろこの町を出て大きい街で冒険者活動してみたらどうだ?まさかずっとこの町でって思ってる訳でもないんだろ?」

「そうだね。ある程度冒険者として慣れてきたし、護衛の依頼ついでに違うところに行ってみようかな」


 父さんも言ってるし、翌日、冒険者ギルドへ向かい聞いてみることに。


「サニーさんこんにちは。そろそろ護衛の依頼を受けようかと思うのですが、ありますか?」

「あぁロドニー君、そうね。ちょっと待って……えっと、3日後にこの町を出る商人の馬車があるわ。ただ、すでに冒険者を雇ってて、ランク上げの為のクエストということで同行も打診できるわよ。ただ報酬は出せないんだけどね…」


 なるほど。報酬の出るクエストを待つか、報酬は出ないけどすでに出発することが決まってるとこに同行するか…


「ランク上げと大きい街も見てみたいので、3日後のやつをお願いします」

「分かったわ。依頼人に確認しておくから、明日またギルドに来てね」

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