第4話 冒険者登録
今俺はハージノ町の冒険者ギルドにいる。
そう12歳になったのだ。
中に入り周りを見渡すと、ほぼ顔見知りしか居ないではないか…まぁ小さい町だし、お店の手伝いをしてたからな…
「あらロドニー君いらっしゃい。ここに来たってことは12歳になったのね。おめでとう!!」
受付にいる女性、たしかサニーさんだったかな。俺に気付いて声をかけてくれると周りから「「「おぉおめでとう」」」と皆んな俺を祝福してくれた。
「はい。これで登録完了よ。これがFランクの冒険者カードね。ちなみにレベルが知りたい時は、あそこにある個室の水晶に手をあてれば分かるから、知りたい時は受付で言ってくれれば鍵を渡すわ」
「わかりました。ありがとうございます」
冒険者ランクはF〜Sまであり、1番下のFランクは外に出るクエストは受けれない。
ギルドで行ってる戦闘試験をクリアすればEランクになり、外のクエストも受けれるようになる。
大きい街とかだったら街中のクエストもあるのだが、ここハージノ町はFランクのクエストはほぼない。あっても漁師の手伝いとか…
必然的に戦闘試験をクリアしないと冒険者らしいクエストが無いということ。
「サニーさん、次の戦闘試験はいつなの?」
「そうね、正直こういった小さい町は戦闘試験日は決まってないの。ロドニー君が良ければ今からでも受けられるわ」
「そうなんですか!!じゃぁお願いします」
「分かったわ。ちょっと待っててね」
そういえば両親以外の人と戦ったことなかったな…まだ母さんにも勝てたことないし…大丈夫かな…
「おまたせ〜」
「おぉロドニー、ついに冒険者になったか!!」
出てきたのはお店の常連、マッチョのロドリゲスさん。普段はいい人なんだけど、お酒が入ると筋肉について話だしてきて、何度同じ話を聞いたことか…
「ロドリゲスさん、こんにちは。ギルドの方だったんですね」
「おぉそういえば言ってなかったか?俺がここのギルドマスターだ。これから頼むぞ!!」
さっそくギルドの奥にある訓練場へ移動。
色んな武器があるな…俺はちょうど良い大きさの剣を選ぶ。訓練用だから刃が潰されてるな。
「ロドリゲスさんは武器持たないんですか?」
「あぁ。俺の武器はこの筋肉だからな!!遠慮せずかかってこい!!」
「身体強化とかは有りですか?」
「遠慮は無しだ。全力をだせよ」
たしか昔母さんが言ってたな。身体強化した俺はBランクくらいの強さはあるって…
まぁロドリゲスさんがあぁ言ってるし、身体強化だけするか。
「では行きます!!」
「えっ消え…ぐふっ…」
あれ?ロドリゲスさんが飛んで行って壁に激突してるんだけど⁉︎
「だ、だ、大丈夫ですか⁉︎ロドリゲスさん!!」
「なんだお前、ちゃんと強え〜じゃね〜か。やっぱあいつらの子供ってことか。ちょっと油断したがもぉ大丈夫。今度はこっちからいくぞ!!」
くっ母さんとは違って一撃が重い。でもスピードは母さんより遅い。これなら攻撃を避けずに受け流すほうが良いか?
「ほぉ攻撃が重いと判断して受け流す方に切り替えたか…知ってはいたが、だいぶマギーにしごかれたみたいだな。だがこれならどうだ!!」
そう言うとロドリゲスの攻撃がさらに重くなり、俺は手にもっていた剣を落としてしまう。
「くっあれで本気じゃなかったんですか!!」
「そういうお前はそれで全力なのか?」
「ちょっとストーーップ!!マスター!!」
訓練場にサニーさんの声が響く。
「マスター!!ロドニー君の実力は十分見れたでしょ!!さすがにやりすぎです!!」
「えっ⁉︎あぁそうだったな。思ってたより強かったからつい楽しくなっちまった。悪りぃなロドニー」
「いえ、僕も母さん以外の人と初めて戦ったので色々と勉強になりました」
試験は合格。無事にEランクを飛び越えてDランク冒険者になることが出来た。
「お前の実力なら本当はBランクからでも良いと思うんだがよ、Cランクに上がるには盗賊の討伐か護衛クエストをする必要があるからな。まぁお前ならすぐランク上がるだろ」
「分かりました。ちなみにこの町にそういったクエストってあります?」
「商人の護衛クエストはよくあるぞ」
なるほど護衛クエストか…
「ん〜しばらく魔物と戦って、色々と慣れたら護衛クエストを受けて大きい街へ行こうかな。まずは装備を揃えないと。今日はこれで失礼しますね」
「おぉ。これからよろしくな!!」
港町だからなのか、鍛冶屋が作ってるのは船関係の道具ばっかりで、少しだけ冒険者用の装備もあるって感じ。
良い装備が欲しかったら馬車で2日ほど行ったとこにある街に行くか、鍛冶屋にお願いして作ってもらうしか無い。
お店に入り、装備の良し悪しなど分からないのでとりあえず解体に使えそうなナイフと普通の剣、防具は…
そういえば魔法使いっぽい装備にするか、戦士っぽい装備にするか考えてなかったな…
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