第11話 文化祭⑤ おねだり

「うん、さっきのことは忘れて前を向こう!今日は空が澄み渡っている!」


「多分傘いらない天気ね」


「琴一、一回殴っていいか?」


中高生は昼行性ってか、翠二クン?


「久しぶりの登場のところすまんが天の声、お前も飛ばされたいか?」


「おにぃの弱点を作れた、これはかなり大きい功績ですねぇ」


「三葉、あなたもかな?」


「まぁまぁ落ち着け翠二。出店も沢山あるみたいだし、盛大に楽しもうじゃないか!」


「……お前たちが忘れてくれればいい話じゃないか」





「あ!型抜きある!あれやろ!」


「いいじゃん。楽しそう」


「よぉ〜し!じゃぁ三人で勝負しようじゃないか!」


「琴一、お前、言い出しっぺだからな。一位じゃなかったらたこ焼き全員分奢ってくれ」


「ヤッター!琴一ねぇ太っ腹〜!」


「そんな事言って無いんだが...。まぁいいや」




「はぃ〜〜〜!二人共、残念だねぇ〜!」


「煽り性能高いな」


「琴一ねぇ、本気過ぎて目がすごいことなってたよ?」


「そんな事無いって〜!これで私のお財布からの支出はなし!」


「………ジトッ」


「お願い?たこ焼き、買って?」


「ちょっと待て待て待て待て!二人共、抜き終わるまでのタイムどころか、全部割り切れてすら無かったじゃないか!あと、翠二はジト、って口で言うもんじゃないぞ!」


「おねえちゃん、お願いします!たこ焼き買ってください!」


「ゔっ!久しぶりのおねえちゃん呼びっ!」


「琴一お姉さま、買って?」


「ゔっ!都合の良いときだけ出てくる様呼びっ!」


…バタン!


決まったーーーー!二人からのダブルパンチーーーー!KOーーー!


「分かりました、買って差し上げましょう...」


「「ありがとーーー!」」





「美味しかった〜!ありがとっ!琴一ねぇ!」


「美味かった、ありがとう」


「二人からのありがとうが貰えるなら安いもんだ」


「おい二人共、脱出ゲームだってよ。面白そうだし行ってみようや。」


「珍しい!翠二から提案するなんて!」


「おにぃがそういうんなら行ってみようじゃないか」




「ペアはお揃いですか?」


「はい。この3人でお願いします」


「かしこまりました。では手錠を付けさせていただきますね」


「ん?ドユコト?」


「手錠で繋がれた状態で脱出しきるんだよ」


「ふ〜ん」


ガチャ!


「それでは準備が完了しましたので、行ってらっしゃいませ」


「「「行ってきま〜す!」」」





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