第10話 文化祭④ 忘れてくれよー!

「ねぇ、どういうことなの三葉!」


「え、何が?」


「何が?じゃなくて!なんで翠二が前で喋ってんの!」


「あれ、言ってなかったっけ?翠二が生徒会長だってこと」


「知らないよ!いつの間に!?」


「そんなことは置いといて、私達は開会式来ないって、おにぃに伝えてあるから、

どんな事言うか耳傾けておきましょうよ」


「そんなことって...。」




『今日は我が校の文化祭においでくださり、誠にありがとうございます!

今日は、多分傘いらない(た文化祭らない)天気となっております!

ですから、夏の陽の下でも頑張りましょー!」




「あの人ほんとに翠二?」


「そうだよ?まぁ普段のおにぃしか見てなかったら仕方ないか」


「インパクト強すぎでしょ!一体何があったことやら...」


その後も、翠二は色々喋ったが、無駄に長いので割愛!





「あ〜いたいた!おーい、おにぃ〜!」


「どこに行ってたんだよ、探したぞ?」


「ねぇ、三葉から聞いたんだけど、翠二、生徒会長って、マ?」


「そ、そうだけど」


「翠二、学校ではいつもあんな感じなの?」


「……あんな感じって...、って!お前らまさか!」


「見たよ!さっきの!」


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


「あちゃー、琴一ねぇ、言っちゃったぁ」


「え?ダメなの?」


「あ゙ぁ゙ーーー!もう最悪!どうか琴一様!忘れてください!」


「えぇ〜、三葉にだけ見せて、私には見せてくれてなかったってことでしょ〜?

罪な男だな〜」


「ま!それだけ私がおにぃに好かれてたってことで!」


「そういう事!?ズルい!三葉ばっかり!」


「別に大した問題じゃないだろ!?」


「大した問題!あー、もういい! んっ!」


「っ!?」


「あーーーー!おにぃが琴一ねぇにキスしたー!」


「ち、違う!三葉、誤解だ!い、今のは琴一が俺の顔を掴んで...」


「私が口を近づけた、なんて言わせないよ〜、事実は変わらないし、

ここに私にとって凄く都合がいい証人がいる」


「ハイ!都合の良い証人です!」


「とにかく、忘れたことにして!できれば今のも...」


「よぉ〜し!じゃぁ開会式のことは忘れたことにしてやろう!だがキスは無理だ!」


「お願いだから!そっちも忘れてくれよーーーーーーーーーーーーー!」


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