第9話 文化祭③ 湯星会長
「ついたどー!」
「元気だな、三葉」
「昨日まで一週間しっかり学校だったくせに。若さって流石だな〜」
「琴一ねぇ私と3つしか変わんないでしょ!」
「高1と大学生の差は歴然としてんのよ。あんたはまだ修学旅行に受験、あと2年半分の青春を残してんのよ〜?」
「そうだな〜、三葉が独り立ちしていくのはまだまだ先なのかな」
「いや、その点に関してはおにぃに一途なのでダイジョブです♡」
「三葉のお兄ちゃん離れはもっと先かな」
「心配ないよ、三葉にも運命の人が現れたらきっとお兄ちゃんから離れるから」
「いや、だから永遠におにぃから離れないから」
「安心して、三葉が彼氏に乗り換えても、私は翠二の傍にいるから」
「お前ら二人共イケメンに囲まれてばっかりじゃねぇか。先週も三葉、告られたのに振ったんだろ?勿体ないよな。吉沢だっけ?カッコいいし性格も言うとこなしだぞ」
「そのへんの有象無象には興味無いの」
「有象無象って...」
「琴一ねぇこそナンパされまくってんじゃん」
「だから私も町中でナンパするような変態達には興味無いの」
「変態って...」
「とーにーかーくー!おにぃに一途なんだからその点忘れないこと!」
「はぁ...分かりましたよ」
「それでよろしい!」
「あ、もうこんな時間だ。ごめん、ちょっと俺行ってくるわ」
「OK〜、頑張って〜」
「え、どこ行くの?え、ちょ、待ってよ!って、翠二、どこ行くのよ?」
「おにぃにはおにぃの仕事があるの」
「そ、そうか...、せっかく一緒に回れると思ったのに」
「一瞬くらいなら我慢しよ、すぐ戻って来るから」
「ちょっと前までグレてた人のセリフとは思えないけど、まぁいいや」
「よし!じゃぁ開会式行こ!」
「りょーかい」
「在学中も思ってたけど、この学校、何でもかんでも式行うよね」
「初代校長の拘りなんだってね」
「それなのになんで三葉はそんなに楽しみにしてんの?開会式とバザーはもう別物同然だよ?」
「いや〜、だって、おn」
『只今から開会式を始めます。はじめの言葉、湯星会長、よろしくお願いします』
「え、何⁉ 今、呼ばれた?」
「うん、呼ばれたよ。おにぃがね」
「嘘でしょーーーーーーー!」
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