第8話 文化祭② ハグ

「早く行こーーーーーーーー!」


「だから早すぎるって」


「まぁ、三葉が楽しみにするのも分かるけど、今行ったら太陽の下で1時間半くらい

待たないといけないハメになるよ?」


「いいのいいのいいの!少しでも遅れたら私死んじゃう!」


「ちゃんと間に合うようにいけばいいだろ?」


「そうだよ、ちゃんと10分前くらいにつくようにすれば?」


「やだやだやだやだーーーーー!」


「高校生にもなって駄々こねるなよ」


「あ!そうだ!翠二にハグしてもらえば?その代わりに、もう少し待ってから

学校に向かう!もちろん、ちゃんと間に合うようにね!」


「………………なにそれズルい」


「ちょっと待ったぁ!なぜそうなる!嫌だぞ俺!」


「じゃないと日光の下で待たされるんだよ?それを、三葉とハグさえしちゃえば二人共幸せじゃない?ついでに私も...」


「………………それならぁ、待ってあげてもぉ、良いかなぁ」


「だってさ、す・い・じ・く・ん♡」


「……おねがいです♡」


「おい上目遣いやめろ。ほんとにやめてくれ、死ぬ」


「お願いします、♡」


「分かった!分かったからやめてくれ!様呼びと上目遣いが強すぎる」


「やっぱ可愛いな〜、流石うちの三葉ちゃん!」


「…ハグ、おねがい、、、はいっ!」


翠二は三葉の手を広げた姿、上目遣いに耐えきれ無かった。


「はぁ...、ぎゅ...。」


「はぁぁぁあわわわわぁ!ヤバいこれヤバいヤバいこれヤバイ!」


「…満足か?」


「満足過ぎる...short動画でギネス更新の瞬間を見たみたいな満足感...」


「なにそれ私もしたい!翠二ぃ、お願い♡」


「琴一は俺とそんなに背が変わんないから上目遣い力がそんなに無いな」


「えぇ〜!じゃぁ、はいっ」


「ちょっと屈んでも無駄だぞ」


「まだまだだな、姉よ。フッ!」


「良いじゃ〜〜ん!お願いってば〜!」


「19歳になってまで駄々こねるな!俺眠いから、30分だけ寝させてくれ」


「も〜ぅ、いつか私にもしてよね!」


「はいはい...」


「ヤッター(≧▽≦)」


「その時は私もね!」


「分かりましたよ...」


「1時間後くらいに起こしに行くからね」


「了解。じゃ、おやすみ〜」


『おやすみ〜』





「イヒヒ〜、妹よ、私は諦めておらぬぞ。おにぃにキスをしに行くのだ。静かにな」


「ラジャー」



「三葉、準備はいいか?」


「yes! 姉貴!」


「せーのっ」



二人は同時に翠二の頬にキスをした。翠二は起きない、、、いや、起きている。

起きて「やめろ!」と叫ぶには勿体ないというのが翠二の判断であった。


「はぁ〜、蕩けそ〜」


「ホントだね〜、やっぱおにぃ、最高♡」



3人共幸せになった瞬間なのであった。よかったね。

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