第7話 文化祭① 朝

「おにぃ!起きて!早く!遅刻する!」


「おい...まだ4時だそ...。こんなに早く起きなくても...。」


「いいから!早く!琴一ねぇも!」


「......待って、後ステーキ5枚だけ...」


「何寝ぼけてんの!ステーキなんて無いから!」


「ふぁぁっ、せっかくよく寝てたのに」


「何言ってんの!今日は待ちに待った文化祭の日!一瞬でも時間を損してはいけない!もし一瞬でも時間を損しようものなら、それは青春を全てドブに捨てるような

もの!」


「大袈裟だって。そんな騒ぐ話じゃないよ...ふぁぁ...」


「まぁまぁ、三葉がこんなに騒ぐことなんて滅多に無いんだ。たまには付き合ってやろうじゃないか」


「さっすがおにぃ!分かってるぅ!」


「今日はお弁当も作らなくて良いんだし、もっと寝てたいよぉ」


「帰ってから寝ればいいでしょ!開会式まであと5時間しか無いんだよ!

着替えて、ご飯食べて、歯を磨いて出るよ!」


そう、今日は一年に一回の高校の文化祭。中には修学旅行よりもこの文化祭の方が楽しかったという人もいるらしい。中でも三葉は在校生として初めての文化祭であり、

とても楽しみにしている。




「何着よっかな〜?私服でお出かけなんて久しぶりだからな〜」


「三葉は何着ても似合うからな〜。私、何着たら良いんだろ?」


「そうだな、同じクラスの奴らにも見られるからな〜」


「頑張っておにぃの彼女だと勘違いされないと!」


「余計なことすんなよ。誤解されたら後で面倒くさいんだよ」


「良いじゃな〜い、たまには甘えさせてあげても。それに私が便乗すれば

3人とも幸せ、一石三鳥的な?」


「なぜ俺まで幸せということになってる?」


「え?幸せでしょ?なにか問題でも?」


「そうだよ!可愛い姉と妹に絡まれてこれ以上の幸せ無いじゃん!」


「まぁ...」


「いま翠二、三葉の言葉肯定したね?翠二の思春期も落ち着いてきたか?」


「思春期が落ち着いてきたということは、おにぃが恥じらいなく私達にかまって

くれるっテコト⁉」


「かまわない!」


「翠二が私達を抱いてくれる日は着実に近づいて来てるな」


「変なこと言うな!」


「いいじゃ〜ん!この前のテストは残念だったけど、いつかおにぃの男の子としての

本能が目覚めた時に♡」


「え、お前テストの点数勝ったらそっち系のことやろうとしてたのか?」


「そうだよ?逆にそれ以外ある?」


「あっぶね!勝って良かった〜」


「そんなこと言っててホントはしたいんでしょ?」


「そうだよぉ、ツンデレなんだから〜」


「ツンデレじゃない!朝早くから疲れさせないでくれよ」



朝から騒がせられるも、幸せを実感する翠二なのでした。






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