第3話 ご褒美ですけど?

「あ〜!おにぃに今日のあ〜んするの忘れたー!」


「しなくて良い!」


「三葉ちゃ〜ん、私にしてくれても良いんだよ〜」


「飽きたの!おにぃがい〜い〜の〜!」


「そうだ三葉、久々に翠二と風呂に入ってもらえ」


「琴一ねぇ、たまにはええこと言うやん。それで決まりで。」


「勝手に決めるな!はぁ...、先に風呂入るからな!上がったら呼ぶから」




「あぁ゙〜、疲れた〜!って言ったの今日何回目だろ?最近頑張り過ぎてるかもな〜。

テストも終わったことだし、しばらくゲーム漬けでもいいかもな〜」


コンコン!バタン!


「おにぃ〜様〜、かわいい妹ちゃんのナイスバディですよ〜」


「おい、ちょ待て、な、何を、は、入ってくるな!一緒は無理って言っただろ!」


「言ってないぞ〜?ちょっと文の上の方に遡ってみ?言ってないだろ?」


「ついにお前もメタ発言をするようになったな。」


「いいから!ね、言ってないだでしょ?」


「ほんとだ...、じゃなくて!文脈がダメだって言ってるだろ!」


「おにぃの口からではないだろ?あと俯いてないでこっち見てもいいんだぞ〜?」


「見れるか!せめてタオルくらい巻け!」


こんなことを言っているが、昔は3人でよく風呂に入っていたじゃないか。


「ほれ、背中。洗って?ご褒美だろ?」


「無理!」


「お願い〜!おにぃ〜!」


「無理なものは無理!」


「ケチッ!世の中の男の子たち大歓喜イベントなんですけど?」


「どこでそんな事覚えて来るんだよ」


「しゃーない、自分で洗うか...」


「まず出てけ!」


「もう脱いじゃったし。諦めな」




「じゃ、湯船失礼しま〜す」


「色目使うな。琴一みたいになりつつあるぞ。」


「私も琴一ねぇみたいなsexyな女目指してんだから」


「ターゲット俺じゃなくていいだろ!」


「私が学校でこんな事して、何あの人?とかキモっ、とか言われたら

悲しいだろ〜?そのためにはプライドを捨てるくらい安いもんじゃないか」


「まぁ...。」


「認めたな〜!ほれ、私のたわわでも堪能しなさい!」


「おい、来んな!当たってる!おい!」


「あ!顔赤〜い!恥ずかしがってる〜!かわいい〜」


「だまれ!俺、出るからな!」


「待ってよ〜、おにぃ〜」



次の瞬間、翠二が見たもの、それは、脱衣所のカゴに置いてある

三葉の下着なのであった。


「フフ〜ン、見たな〜おにぃ様〜!生き馬の目を抜いちゃ〜いかんよ〜!」


「こっちからしたら弱り目に祟り目なんだが...」


嘘である。喜んでいる。


「黙れ」


ビク! 怖!


「誰に話してんの?」


「なんでもない。ていうか、いかげんタオル巻け!」


「ツッコむの遅くな〜い? あれ?堪能してた?」


「してない!」




「おやや〜翠二く〜ん?顔が赤いな〜」


「おい、三葉のやつは琴一の入れ知恵か?」


「いぐざくとりー!」


「もうだめだ。クソゴミ英語も相まって俺までイカれちまいそうだ。」


「翠二にぃったら嬉しがってるくせに」


翠二くんは女の子に自分の気持ちを言うのが恥ずかしい年頃なのでした。









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