第23話 千年前の太宰府天満宮
僕はハルに頼んでミチミチの最終地、
命が消え、祟り神から学問の神様になった、
太宰府天満宮に飛んだ。
カラダがあっという間に鏡に吸い込まれた。
「ドスン。」まわりを見渡す。
どうやら境内の端、池の前に落ちたようだ。
「ケロ。」カエルがないて池に飛び込む。
「悪いなカエル。」
頭の上の太陽は高い。昼か。
早くジョーのところに行こう。
えっ?ドラマの撮影か?みんな着物だ。
本殿はどこだ?
前から着物の男の子が走って来る。
七五三か?
あっ、ぶつかる。
僕は目を閉じた。
「えっ?えっーーー!すり抜けた!」
僕は振りかえった。
今度は両親が、あー!
ぶつからずに僕をすり抜けた。
どういうことだ?
「スガワラ」誰かが、僕の名を呼ぶ。
「ジョーか?」僕は振りかえる。
少年がいる。
ハヤテか?なんでここにお前が?」
「さてな。」
「ここはどこだ?」
「ここは千年前の太宰府天満宮だ。
時を越えている。ジョーはいないが、
場所は同じだ。
ミチミチの最終地だ。」
「ハヤテ、お前がなぜ?」
「僕は、ハルからジョーがいる現在の太宰府天満宮に飛ばされたと思ったんだが。」
ハヤテが「スガワラ、別にどっちでもいいじゃん。過去は現在に繋がるし。同じだ。同じ。」
確かに。過去の上に現在がある。どちらも同じで大切だ。しかし僕は、
「ハヤテ、ほんとお前はいい加減だな。」
僕はこんないい加減な奴の神巫女を優等生の、
桃梅がやっていたと思うとショックだ。
それに仲も良さそうだ。
ハヤトが「スガワラ、もしかして俺様にやきもちでもやいてる?仕方ないな。」
心を読まれた。
「そんなことはない。」
「まあ、いいから俺様についてきな。
この時代にスガワラは存在できない。
イコールお前は何もできない。
干渉できない人間だ。」
「わかった。ハヤテどこに行くんだ?」
着いた先はハヤトの社だ。勝負の神様だ。
みんな熱心にお参りしている。
ひとりの男が社に結界を破って本殿へ。
「神様出てこい。何が勝負の神様だ。
かけ勝負で俺様は一文なしになった。」
怒鳴りちらしてる。
「単なる八つ当たりだろう。
どの時代にもいるんだな。こういう人間は。」
しかし結界を越えて?
「スガワラよくみろ。あの人間背後に鬼がついている。良くない鬼だ。」
あの鬼がこの地に居座るようになってから、
人間がダメになっていっている。
まあしょせん、人間は弱い生き物だからな。
奴のせいで俺様は神様をやめた。
それに菅原道真ミチミチを祟り神に誘い込んだのが奴だ。
奴の名は羅刹。ラセツ。
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