第21話 ミチミチの作戦
祟り神のハルが「父上様、ありがとうございました。ミチミチからせっかくだから、父上様に甘えて千年前に一緒に行けば?と進められて、ミチミチの作戦に乗りました。だましていたようでごめんなさい。」
僕はハルの紫のおさげの髪を大きくなでた。「ハル。大丈夫だ。君はよく頑張った。
逆にミチミチには少し腹が立つよ。
正直に話してくれれば。
自分たちは分身1号と2号とで女子高生になりきって、今頃たのしんでいるんだろうな。
ハルもミチミチ達と女子高生をやってみないか?」
「父上様、それはお断りします。私も含め4人で菅原道真、ミチミチを形成しています。
以前は、ご存知の通りに人間でした。
今は神様ですけどね。
元来、人間は多重人格です。これが普通です。
外向きの自分。自分だけの時の自分。短気な自分。正直な自分。嘘つきの自分。怠け者自分。偉ぶる自分。謙虚な自分。口にするとキリがありません。
父上様もタクヤ様もそう思いませんか?」
タクヤが「そうだ。ハルの言う通り。
僕も色んな自分がいる。スガワラと話して学校にいる自分と家での自分。妹の前での自分。
人間は多重人格だ。」
「タクヤ、僕もそう思う。
そういえば、元梅は?どうなの?」
「スガワラ様、私は神巫女です。
元は梅の木の精霊です。人間でも神様でもありません。感情はありますが、性格は一つです。
梅は梅ですから。」
ハルが「父上様、タクヤ様、精霊は自然界にたくさん存在します。
元梅のように神様に仕える神巫女になるものもいますが、人間に仕えるものもたくさんいます。ただ千年前に比べると現代の人間には情報が溢れすぎています。
精霊は仕える人間に情報を知らせるのが使命です。精霊の情報で人間を助けます。
今はその声を聞きとることができる人間が少ないです。」
元梅も「寂しいことです。」
タクヤが大きな声で「元梅、僕は、僕は聞こえるよ。精霊の声がね。」
タクヤの顔が赤い。僕はタクヤに「あれ?タクヤ、元梅に恋でもしたか?なんだか
元梅に対してのアピールにしか聞こえなかったぞ。」
タクヤが「スガワラ、何を言ってるんだよ。僕らは受験で、今はそれ以外のことは後回しだ。今は勉強が一番だ。それに何度も言うがこの世界は一時的だ。2日過ぎたぞ。あと5日で元の世界に戻るんだぞ。」
「そうだったな。じゃあ、受験後は恋愛も大丈夫ってことだな。」
僕は元梅をみて「元梅、そういうことだ。
タクヤは不器用な奴だ。」
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