第18話 こんにちわ祟り神様
「スガワラ、こっちだ。」タクヤは本殿奥の
箱の前に来た。
硯箱のような箱の中に携帯が入っていた。
ちゃんと充電用のコンセントもあった。
「タクヤ、これはすごいな。本物の携帯だ。」
「スガワラ、何を言ってるんだ。当たり前だ。ほらね。」っとタクヤは電源を入れた。画面もネット検索もアプリまで入ってる。画面も女子らしい。
「ところでタクヤ、その祟り神、ミチミチは
どこにいるんだ?」
「祟り神様は基本。夕刻以降しか活動しない。昼間は部屋に引きこもりだよ。この時間はまだ寝てるな。」
「もうすぐお昼だぞ。」
「そうだな。しかし、ここに来てわかったんだが、基本神様に時間の概念はないようだ。」
「でもミチミチは昼間に起きていたぞ。」
「スガワラ、僕もまだ1日目だからよくわからないんだけど。神巫女達、元梅は人間界の時間を見て動いているようだ。僕の仕事も食事も気づかってくれている。そうだよな元梅。」
「はい。タクヤ様のおっしゃる通りです。神様方には時間の概念はありません。
神様には、はじまりも終わりもないのです。
ただ、その時の中に存在されています。」
「そうなんだ。神様はややこしそうだね。」
元梅が少し下を向き「そうですね。」と答えた。
タクヤが「でも、祟り神のミチミチには人間の習慣が残っているようだよ。
参拝の女子達を見ては羨ましそうに見ていた。」
「そうか。で祟り神は暴れたりはしていないのか?父の僕しか、鎮めることができないってことで来たんだけど。」
ミチミチに似た髪の紫の女の子が急に目の前に。
「ミチミチ?君が祟り神?」
「そうよ。」
タクヤも「スガワラ、その子だよ。」
「えっ?こんなにかわいい子が祟り神?
君、名前は?」
「私?菅原道真に決まってるじゃん。」
「そうだった。君はミチミチと同じだよな。」
その子はじーっと僕を見て
「そうね。父上様で間違いないようね。
久しぶり。千年ぶりかしら。」
「なんでわかったんだ?」
「なんとなく。あと私、大丈夫よ。祟り神で暴れているって湯島のミチミチが勘違いしてるだけ。千年前みたいに京の都に天変地異なんて起こさないから安心して父上様。」
「そうか、ハル。」えっ?僕、今何って言ったんだ。
「わーっ、やっぱりお父上様様だ。私の名前は道真と書いてミチミチ。でも小さい時は、ミチミチはよく笑って春のようだと私の名前をハルと呼んでいたのよ。」
そういえば・・・ハルの笑い声が。えっ?僕のカラダがふわふわと浮いていく。
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