第17話 京都の祟り神

翌朝、桃梅が「スガワラ様、本日は北野天満宮に行かれますか?」

「そのつもりだよ。ミチミチと約束したからな。」

「分かりました。」

桃梅は僕の支度を手際よくした。

「スガワラ様、こちらが、お荷物です。」

「ありがとう桃梅。」

「ではこちらへ。」

桃梅が本殿へ。

「スガワラ様、鏡はミチミチ様の神社すべてに繋がっています。

北野天満宮へと唱えてください。」

僕は言われるまま、唱えた。

次の瞬間、僕のカラダはくるくると宙に浮き

シュッと鏡の中にすいこまれた。

気づくと僕は北野天満宮の本殿鏡の前にいた。

「やっと来たか。」タクヤだ。

「久しぶりタクヤ。」僕は思わずタクヤに抱きついた。

「スガワラ、気持ちは分かるが、僕は男子だ。

できれば女子に抱きついて欲しいよ。」

「あー、悪かった

たった1日なのに、ずいぶん時間が、

たった気がするな。タクヤ。」

「そうだな。スガワラ。湯島天神はどうだ?」

「そうだ、ビッグニュースがあるぞ。どうやら僕はミチミチ、菅原道真の父親らしい。」

「そうか。」

「えっ!タクヤ、驚かないのか?」

「まあな。初めてミチミチと会った時、2人共、

同じ空気がした。」

「そっか。」

「それにスガワラの名前も一緒だし、

なんとなく。でもジョーは驚くと思うよ。

ジョーは女の子以外のことは鈍いしな。」

「そうだな。」笑い。

「それでスガワラ、ここの祟り神を鎮めに来たんだろう。」

「そうだ。娘の頼みだ。

それにミチミチの一部だしな。」

「でもスガワラ、僕が言うのも、あれだけど、ミチミチって

都合が良くないか?」

僕は?

「それぞれ神社には分身1号、2号がいて自分は自由。もちろん湯島天神での神様の仕事していると思うけどさ。ここの祟り神も自分だろう。自分で納めればいいのにさ。」

「そうだな。でも親バカかもしれないけど、

タクヤ、ミチミチも大変だと思うよ。

たくさんの神社見てるんだろう。ストレスもあるさ。僕ができることはやってあげたいんだ。」

すかさずタクヤが「悪かった。そういうつもりで言ったんじゃないんだ。」

僕の気持ちをタクヤは察した。

「ところでタクヤ、君の神巫女を紹介してくれないか?」

「あー、忘れていた。ごめん。元梅。」

元梅が「こんにちは。スガワラ様。」

名の通り、ここが神巫女のはじまりの地。元梅。タクヤに負けず賢そうだ。

「スガワラ、何をニヤニヤしてるんだ。」

「いや、大丈夫だ。」

「じゃあ早速、タクヤ、ミチミチ祟り神の箱。携帯の場所に連れていってくれ。」







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る