第14話 ハンバーガーMと桃梅

神様代理の1日が終わった。

正直バイトもしたことのない僕には

早すぎインターシップのようだ。

きっと数年後、大学生になった時にもインターシップをもう一度、するんだろうな。

神様業のインターシップ。現実社会では役に立たないのかもしれないが。

ただ世界が違っても僕はベストを尽くしたい。どんな状況でも手抜きだけはしたくない。

たとえ誰も覚えていなくてもいい。ベストを尽くしたと自分が覚えていればいい。自分に嘘はつけないのだから。

「スガワラ様どうかなされましたか?

お疲れでしょう。」

「大丈夫だ。いや、やっぱり少し疲れたかな。長い一日だった。それにお腹もすいたし。」

桃梅が笑いながら「スガワラ様、夕食の時間です。こちらへどうぞ。ここから先は人間界と別空間になっています。どうぞ奥へ。」

「ありがとう。桃梅。」

本殿奥、細長い廊下を歩くと光の中に広い畳の間が。漆塗りの高盆に料理が乗っている。

「えっ、ここはレストラン?料亭?」

美しい料理が盛り付けられている。

桃梅が「スガワラ様、褒めて頂いてありがとうございます。ですがよく見てください。

一主に付け合わせは野菜です。」

お膳をのぞき込んだ。よく見ると魚以外はどれも野菜だ。

しかし「美しいお膳だ。」

「スガワラ様。基本、神様方は血肉の類はあまり好まれません。けして食べてはいけないなどの決まり事もありませんが、土に育ち太陽の光を浴びたものを好まれます。

人間界のスガワラ様には少々物足りないかもしれませんが、どうぞ召し上がってください。」

「では。いただきまーす。」

思った通りにおいしかった。

「ところで、この食材はどうやって手に入れているんだ?」

「基本、お供え物を頂きます。本殿に上げられたものは、人間界でいうコピーのような機能で同じものが、こちら側の世界に入ります。

ただし、最近はミチミチ様は人間界のスーパーなるもに興味を持たれたようで。

情報は北野天満宮の千年前の負の感情祟り神のミチミチ様の携帯を情報共有されています。

なので良いことも悪いこともすべて把握されています。スガワラ様とお会いになったスーパーもご自身で食材を選びたいとはじめて行かれた時だと思います。」

「そうか。あの時か。それで桃梅は何か人間界で食べたいものある?」

「私ですか?ハンバーガーMを食べてみたいです。ソースが未知の味のようで食べてみたいです。」

「じゃあ、今度、僕がご馳走しよう。」

「楽しみにしていますね。」

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