第11話 神社ノS級おみくじ

僕は参拝者と鏡でサクサクと参拝者の願いごとの可否を決めていった。

『迷ったら負け。』昔からの僕自身の教訓だ。

それにスピード感も大切だ。

答えを出すのに何時間もかけたら答えは迷走する。直面する問題は生ものだと僕は認識している。時間がたつと答えは変わる。

神様ではないがそのことを僕は知っている。」

「スガワラ様、素晴らしいですね。

スガワラ様、本当は人間ではなく神様なのでは、ないですか?」

「えっ?その前に、桃梅、君、今僕の心を読んだ?」

「はい。読みました。私達、神巫女はそういうものです。」

「桃梅、さらっと言ったけど、

勝手に脳内侵入は罪だぞ。」

「そうですか?よくわかりません。」

「よくわかりませんだって。

まあ、いいや。桃梅は美人だし、許そう。」

「スガワラ様、今の発言はセクハラになるのでは?」

「えっ?君が言うの?」

桃梅もすまし顔で笑っている。

「スガワラ様、冗談そこまでです。お仕事中です。」

「はい。」

「桃梅、一応聞いておくけど、参拝者からは僕らの姿は見えないんだよな。」

「もちろんです。」

「そっか、よかったー」

「でも気を抜いてはいけません。

たまに人の中に紛れて神堕ちのものが、まじっています。もちろん神社には結界をはっていますので悪しき魔物の類は基本入ってきません。

ただ、いやなんでもありません。」

「そっか。さあ、仕事。仕事と。」

『スガワラ様は1週間。まさかその間に奴が来るとは思えない。今は。』

僕はもくもく仕事をした。参拝者の耳を傾け鏡を見て判断をくだす。人の運命を決める重い大切な仕事だが、ストレスは感じない。

僕は楽しくて、しょうがない。

僕は傲慢なのか?

「そんなことはありませんよ。

スガワラ様は神様向きかもしれません。」

「褒められて嬉しいけど、桃梅、また脳に不法侵入だぞ。」

「申し訳ございません。では次の仕事です。

おみくじ造りです。」

「おみくじ?それっていつも決まっていて言葉が既に印刷されている、あれ。もうできてるじゃん。コピーが僕の仕事だとか?」

「違います。それは人間の巫女達の仕事です。

スガワラ様にはそのできあがったおみくじに

“願”を入れて頂きます。神様は未来が見透せます。誰がどのおみくじを引くかもわかります。

これは明日の分です。」

18のおみくじが宙を浮いている。

「スガワラ様、目を閉じてください。

頭の中に文字が浮かんで来ましたか?

その文字をおみくじに入れてください。」

僕のカラダから光が放たれた。






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