第5話 神様はAI?
僕はミチミチに「君の分身は君と同じ思考能力があるの?それとも単なる見かけだけのAIロボット?人形?」
「もちろん、ただの人形ではないぞ。思考能力は私と同じだ。
それぞれの天満宮の参拝者の願いをしっかり聞いている。私と同じだ。
さっき、本殿で行っていたのと同じだ。
参拝者の声を聞き、本殿の鏡で参拝者の行いを映し出す。助けるか、否かは鏡に映る、日ごろの行いで決める。
拝殿前で取り繕っても、神様はお見通し。」
ジョーが「僕なんか、勉強せずによく神頼みしてるよ。特に学期末テストの時は。
今更だけど勉強していないの、あの鏡でミチミチにバレバレだったんだ。」
「その通り。そういえばジョー、思い出した。学期末になるとよく拝殿前で、神頼みしてたよね」
「えヘっ。バレてたんだ。」
「そうね。あとタクヤ。よく見ると君も私の拝殿によく来てたわね。」
「はい。」
「タクヤは自分の成績より妹の成績のお願いをしていたようだが。」
「あー、神様は、なんでもお見通しなんだな。
僕の家、結構勉強にはうるさくって、妹は今度高校受験。
いつも母さんがガミガミ。少し可哀そうだから、こっそり神頼みをしていたんだ。」
ジョーが「タクヤに妹がいたんだあ。妹、可愛い?」
「ゴッン」タクヤのゲンコツがジョーの頭に。
僕はミチミチに「神様は拝殿前に僕らが立っただけで、すべてお見通しってこと?」
「そうだ。その通りだ。そういえば、スガワラは。まあ、いい。今はスガワラのことを話すのはよそう。話が長くなる。」
ジョーが「スガワラ。神様のミチミチが言うのをためらうくらい、変なお願いしてるんだな。気になるな。ミチミチ、頼む教えて。」
ミチミチは僕をチラリみて「個人情報だ。話さない。」
『ありがとう。ミチミチ。僕の願い事は、タクヤとジョーには知られたくない。』
『分かっているさ。』
「では3人とも、さっきの私の分身の続きの話をしよう。分身1号、2号ともに大まかな思考は私と同じだが、性格が多少違う。
大宰府の1号は晩年の私の分身。京都への恨みはあるが比較的穏やかな性格だ。
分析能力はある。ただし分身1号の基準は高く。拝殿者の願いが叶うのは、なかなかハードルが高い。
分身2号の北野天満宮は外面がいい。性格もお調子者だ。
多少、無理なお願いでもきくようだ。」
僕はミチミチに「君も含めて分身達の神様仕事は忙しそうだな。」
「スガワラ、その通りだ。完全AIにしたいくらいだ。」
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