第2話 スガワラ道真でミチミチ

ジョーが「なあスガワラ、その女子名前は、

お前と同じスガワラで道真?親戚か?」

「さあな。特に聞いたことはないから違うだろう。」

「で、その女子の名前が道真か。」

「いや、違う。道真と書いてミチミチだ。

本人が言ってた。」

タクヤが「なんだそれ?キラキラネームか。」

「さあーな。」

ジョーが「で、スガワラの言う通り、とりあえず、その神様ミチミチちゃんとはどうなの?」

「別に何もないよ。スーパーを出て、家はすぐそこだからって天神様の鳥居の中に入っていた。」

タクヤが真面目な顔で「ほんとに姿が他の人達には見えなかったのか?」

「そうだな。僕の目の前だったから僕には見えたけど、少し線が薄かったかな。

それに彼女がセルフレジの操作方法を店員さんに一生懸命聞いても、店員さんは素通りで。

困ったようで僕が声をかけたんだ。

僕もレジ早く済ませたかったしさあ。

天神様は通り道だし、

歩きながら、名前聞いたらスガワラ道真って書いてスガワラミチミチだって、本人が。それに神様だって言ったんだ。」

ジョ—が「ミチミチか。本当に神様だとしたら、なんで弁当買ってるのさ。」

「そうだな。僕も少し?思ったが。

話している時は、自然に状況を受け入れたんだよな。

よく考えるとおかしいよな。」

タクヤが「帰りに湯島に行かないか?

確かめてようぜ。」

「そうだな。」

「そうしよう。今日は始業式だけだ。

午前中には終わる。行こうぜ。」

ジョーが「スガワラ、ミチミチは可愛いか?」

正直、印象がない。「たぶん普通ー。」

「そっかあー。」ジョーは残念そうだ。

まあ、学校からも遠くないし。

そして僕らはアキバ方面のバスに3人乗った。

本郷3丁目で降りた。上野方面にゆっくり下り。

警察署、消防署を通り越す。

通り沿いに大きな鳥居。僕らは信号が青にかわるのを待って渡った。塀伝えに本殿の正面の鳥居に向かう。

頭の上の太陽が暑い。

ジョーが「なあ、バス停から結構歩いたぜ。喉からから。」

「僕もだ。」タクヤも暑さにやられている。

「中に自販機あったから飲もうぜ。」

「そうだな。」

僕らは鳥居をくぐり左手の大きな銀杏の木をチラリ見て自販機に走った。

「あっ。ミチミチ!」

「スガワラ、誰もいないぞ。」

「いや、いや、そこでミチミチがみかんジュース飲んでる。」

「えっ?どこどこ」

ジョーがキョロキョロ左右を見て

「ミチミチさん、こんにちは。姿見せてくれませんか?」

みかんジュースを飲みきったミチミチ。

突然、姿が現れた。

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