たまに神頼みのスガワラ君

京極 道真  

第1話 2学期はじまるよ

暑かった夏もセミの鳴声も静かに終わり。  高2の2学期。来年は受験だ。

先生達いわく、この2学期で大方の志望校が決まる。

志望校へ向けての勉強漬けの毎日がはじまるらしい。

データーでは、この2学期を制した生徒達は、だいたい目標を到達させるらしい。

もちろん僕もその中に入りたい。

小・中・高校とかろうじて、なんとなく頭が、いいねの部類で過ごしてきた僕。

大学受験は失敗したくない。

最後にやらかさないように残りの高校生活を学習に注ごうと誓うが。

夏休みに出会ってはいけないものに出会ってしまった。

「ドーン。」タクヤが僕に絡む。

「どうしたって?出会ってはいけないものに

会ってしまったって。

それは女子か!どんな女子なんだ。」

「えー、スガワラに女子?彼女ができたんのか?」ジョーが絡む。

「違うぞ。いや、違わない。」

「じゃ、なんなんだ。」

「彼女じゃないが神様だ。」

ジョーが、がっかりして「なんだ。神様って。そんな、非科学的なことは受験生の僕らには

必要ない。必要なのは癒しだ。女子だ。

長い黒髪。いい香り。女子に決まってる。」

タクヤはジョーをなだめる。

「よしよし。ジョー。」

「で、なんなんだ、その神様って。」

ジョーが「例えば。試験落ちます的な神様?とか。疫病神?とか?」

「ちがうぞ。道真だ。道真に会ったんだ。」

タクヤが「あの、学問の神様的な神様?」

「そうだ。」

ジョーがつまらなそうに「で、そのおじさんの受験の神様がどうしたって?」

タクヤが「こらこら、ジョー君、神様を足蹴にしてはいけません。僕らは受験生ですよ。」

ジョーは「はい。はい。」と答えて興味がなさそうだ。

タクヤは少し興味がありそうで

「で、スガワラ。その神様、道真とどこで会ったんだ。」

「スーパー。」

「えっ?スーパーって。ハハハ。」タクヤが笑う。

「それ、スーパーって。神様の道真じゃなくて、それ単なる人間のおじさんじゃないのか。新学期からスガワラ、冗談はキツぜ。」

「ほらね。信じないだろう。

道真がセルフレジで並んでいたんだ。

僕の前にね。しかし他の人には見えないらしく。彼女もセルフレジで操作方法がわからなく止まってたんだ。

あとは操作方法を教えて、彼女、道真は無事レジを通過。お弁当が買えた。

めでたしめでたし。」

タクヤが「ちっと待った。道真って、彼女って、女子?」

「そうだよ。彼女の名前はスガワラ道真。

女子だ。歴史の教科書じゃ、男子だけどさ。

本当は女子だった。」

「えっーーー!」



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