第22話大鉄道



中国だった4つ国から日本政府に依頼が舞い込んだ。


大華国、中京国、社民国、大連中華国の共同依頼で無下に断ることも出来ない。

それは4つを鉄道で繋ぐ計画で、それも20年ローンで支払うと言っている。

マギか・・・普通なら10年は必要な事業なのに、昔の中国みたいに借金を踏み倒すかも・・・



なのでAIに「4つの国を繋ぐ線路を自動で作る機械を作れ」と命令した。


数秒で設計図を書き上げた。


それを宇宙船に送って作らせる。


速いもので1時間で作り上げたよ。



「このコースで間違いないか・・・」


「GPSで確認したので間違いないです。この方向です」


「機械を作動させろ!!」


「たしか・・・このスイッチのハズだが・・・あ!動いた!!」


機械は、土を掘って整地しながらバラストをいて枕木をセット。

その間隔は、1ミリもずれない。


それが終わると枕木の上にレールの載せて、平行になるよう微調をして固定。



「なんて奴だ。1キロを1時間で作りやがったぞ」


「機械ですから・・・簡単ですよ」


「お前は。当たり前のように言うが1時間で1キロは凄いんだぞ。それに計算しても、どれだけ費用が必要か考えてみろ」


「はい、はい、現場主任が正しいです」



それなのに難所が・・・


「この山を掘ってトンネルを作るのか・・・難しいな」


「距離を計算した結果、30キロです」


「本部、こちらAコースを担当する斉藤です・・・はい・・・はい・・・お願いします」


「本部はなんて・・・」


「『トンネル掘る君』を送ると言ってたな、なんて変なネームをつけるんだ」


「あ!それ知ってますよ。同僚がネーム募集に応募して100万円をもらったと言ってました」


「え!そんなの知らんぞ」


「本社のホームページに書いてましたよ」


「そんなネームで良いなら、何千も応募したのに・・・」


「はい、はい、仕事をしましょう」




『トンネル掘る君』が送られると2時間で1キロにペースダウンしてしまった。


「後どれくらいでトンネルが完成しそうだ」


「2時間×30で60時間、24時間稼働なので60÷24で2日と12時間ですね」


「マジか・・・世界一の技術だぞ・・・」


「現場主任、驚き過ぎですよ」


「お前って奴は・・・」



そして世界一のトンネルが完成した。

現場に居た人員は、21人。


「おい!起きろ。交代だぞ」


「え!もう、そんな時間か・・・12時間で交代なんて」


「何を言ってんだ。こんな楽な仕事で大金がもらえる仕事なんてないぞ」


「まあ、機械が勝手に働いてくれるし、部品交換も知らせてくるから楽は楽だが・・・テレビも見飽きた」


「俺は明日から2日の休暇だ。大連中華国の淡藍たんらんで遊んで美味いものも食いまくる予定だ」


「俺なんか、ここではインスタントラーメンか固形食ばかりだ」


「それって無料で与えられる食べ物だぞ。出前でも取れよ」


「そうしたいが嫁がこれだから・・・」


男は、腹をさすって見せる。


「え!お前に子供が出来たのか・・・」


「ああ、女の子だ」




50台の『レール作る君』が24時間稼働し続けた。


1年2ヶ月で鉄道は完成した。


走るで電車は電気モーターで時速200キロで走る。


搭載型の超バッテリーで、電車線を張る必要もない。

超高速充電が20分での充電を可能にして、バッテリーの劣化も少ない。




それにシベリアが日本の領土となった。だからシベリアまで線路を延ばした。


ソ連も懲りずに攻めてきたが足を踏み入る前に全滅にしてやった。



そしてシベリア、アラスカ、日本と海運が盛り上がっている。

アラスカでは、亜鉛、金、鉛、銀、石炭などの生産が盛んで、鉱山は世界でも大きな生産量を誇っている。

だから多くの日本人が海を渡って住みついた。



本数は少ないが旅客機も飛行するように・・・

大きな飛行場も必要ないし、騒音もないから都市の真ん中でも着陸できる。

アジア圏内なら航空交通網が張りめぐらされた。



あああ、チベットのダライ・ラマから鉄道を作って欲しいと言って来た。

仕方ないので作ることに・・・


まだ10歳なのに・・・近代的な考えだ。

4歳でダライ・ラマ14世として見つけられて認定された。


なんでもダライ・ラマ13世が死去すると、化身したダライ・ラマが生まれるらしい。

そのダライ・ラマ14世を捜索隊がチベット全土で探す。

なんか、お告げがあるとかないとか・・・神のみ知る不思議な宗教観だ。


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