第21話前線基地



インドを独立させられてプライドが傷ついたイギリスは、ヨーロッパとソ連を引き込んで日本に宣戦布告を宣言。

参加してないのは、スイスと敗戦したドイツだけだ。


ヨーロッパで活躍するアンドロイド達が詳細を知らせてくる。

日本がアメリカを降伏させたことで、核爆弾の秘密を知ったと勘違いしているようだ。

核爆弾なんて何時でも作れるのに・・・



核爆弾なんか屁みたいな威力なのに・・・

それ以上の未来武器『光子魚雷』なら1発で地球を木っ端微塵にするほどの威力がある。


それも知らずに連合して戦争を仕掛けるなんて・・・バカ野郎だ。






日本内閣。


「ソ連が日ソ中立条約を破棄して、ヨーロッパと連合して宣戦布告をしてきたと言うのですか・・・」


「条約を延長したハズだ!それなのに・・・」


「イギリスのチャーチルに説得されたようです」


机を「パンッ」と叩き「けしからん奴だ!」


「それでは、徹底的に戦うでよろしいですか・・・」


「異議なし!」


「同じく異議なし!」


「異議なし!・・・・・・」


容赦しないと内閣で決まった。



「ああ、これで日本兵のシベリア抑留が無くなった」


事実なら参戦したソ連が終戦で武装解除した日本兵や民間人をシベリア、カザフ、キルギス、ウズベクなどへ労働力として連行して働かせた。

めちゃ鬼畜のようなソ連だ。


「マスター、日本人は約55万5千人が抑留されて厳寒環境下で満足な食事も与えられず、苛烈な労働を強要させられたそうです。それにアメリカの研究者ウイリアム・ニンモによれば、確認された死者は25万4千人、行方不明・推定死亡者は9万3千人で、約34万人の日本人が死んだ・・・惨いです」







なので日本から近いシベリアを攻めた。

戦車500台が転送されて広大な土地を占拠。

次々に物資が転送された。



「急いで前線基地を作れ!」


「整備完了!221番を0067へ転送を願います」


「了解した」


一瞬で巨大トーチカが現れた。

そのトーチカには、対空ミサイルが備えていている。

そして長距離ミサイルも・・・その距離、14000キロ。


十分にイギリスを狙える距離だ。

それに音速の3倍で飛んで急角度で落下するから迎撃は無理だ。

そして人工衛星を使ってコースの設定も可能だ。

100%の命中率を誇る長距離ミサイルとなっている。



「司令官!ソ連の潜水艦を発見しました」


「海の近くだから偵察に来たらしいな・・・軍港はまだ出来てないが、そのまま返すほどに甘くないぞ。人工衛星で誘導させながら魚雷を発射しろ」


「準備は整っています。009番、魚雷発射!」


真上に飛んだ魚雷が上空で方向転換して海に向かって飛んだ。

そして潜水艦が居た付近の海に突っ込んだ。


後部が外れてスクリューが回りだす。


潜水艦が出す音を探知してコースを修正。


100ノットで進んで30秒で潜水艦に命中した。

潜水艦は見つかった時点でアウトで、逃げる術はない。


それは発射されて数分の出来事だった。


「潜水艦の撃破を確認」


「ご苦労だった。引き続き警戒を続けろ」


「了解」




戦車の格納庫が完成。

地下20メートル下に掘られた頑丈な格納庫だ。



「角度40度、照射!」


ブームが照射されて正方形に岩山を切断。

重みで「ガクン」と奥が・・・


「牽引ビーム、照射!」


「ポイント0021へ移動させて設置しろ」


「了解」


小型重機が牽引しながら正方形の岩を動かした。


「オーライ!オーライ!オーライ!ストップ!!」


整地された場所へゆっくりと岩が設置される。


そして岩山をくり抜いた場所は格納庫に、そしてヘリや飛行機が入る予定だ。




中央位置では、スペシャル波を送受信する塔が設置された。

ヨーロッパを監視する人工衛星へ送受信が可能となる。



「司令官、イギリスも艦隊が停泊してます。長距離ミサイルを使ったことが無いので艦隊に使ってもよろしいでしょうか・・・」


「ああ、私も使った経験はないぞ・・・ちょっと待て・・・」


携帯で電話して「はい・・・イギリス艦隊に長距離ミサイルを使いたいのですが・・・はい・・・分かりました」


「使っていいぞ」


「え!・・・」


「何か問題か!」


「距離が5,422キロなので・・・近くないですか・・・」


「それはメルカトル図法で見てるからだ。北極に近づけば距離も見た目より近いハズだ」


「成る程・・・艦隊の数32隻、すべて長距離ミサイルに登録完了。発射していいですか・・・」


「発射しろ」


「発射!」


トーチカ1基から長距離ミサイル8発が発射された。

そして残りの3基のトーチカらも発射。


計32の長距離ミサイルが最短距離をイギリスに向かって飛んでいる。




突然に爆発音が響く。

戦艦リヴェンジの中央で大爆発。

全長190.3メートルの戦艦が、数秒で真っ二つに折れて沈んでいる。


防御面において主甲板の防御強化のために弾薬庫の上は102mm装甲に改造。

そして機関部は、64mmの装甲を追加で貼り付けた。

そんな戦艦が・・・


戦艦キング・ジョージ5世も同じ運命に導かれるように大爆発して沈んだ。


航空母艦、巡洋艦、駆逐艦も大破して沈んだ。


5,422キロの距離を1時間30分で飛んで32隻を大破。

全てが軍港や沖合いで沈んで、軍港の再開は無理に・・・


軍港に居た人々は、何が起きたか分からない状態で立ち尽くした。


海から「助けてくれ!」でようやく我に返った。






「司令官、大破して沈む動画です」


「なんと・・・呆気ない・・・」


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