第19話暴動Ⅱ




多くのアメリカ政府の要人は、ワシントン D.C.から脱出できずに急性放射線障害にされた。



「国務長官が乗った車は、ウィリスジープだ。ナンバーは525UXD」


「了解した」


「ポイントAに来たら連絡しろ」


「了解」


そしてポイントAに来たタイミングで爆発。

橋の下に落ちて、ひっくり返っている。


普通の爆弾でなく金属製の爆発物で車の底に張り付いていた。



「ここは何処だ・・・ロバートと返事をしろ・・・」


運転手のロバートは、首が変な方向に向いている。

どう考えても転落で首を折ったとは思えない。


警護のジョンも同じように首が折られていたからだ。

これは偶然ではない。


屈強な男で信頼もしていたのに・・・なんて無残な姿になったのだろう。



急にドアが「ボギッ」と引き剥がされた。


そして手首を掴まれて引張られる。


「やめろ!放せ!」


それでも引張られて手首が「ボキッ」と折れた。

胸骨も折れているのに、痛い。


我慢しながら「国務長官エドワード・ステティニアスと知っているのか!」


「知ってやった」


「なんだと・・・」


国務長官は恐怖を覚えた。


「お前ら白人主義が招いたことを反省しろ」


「お前はジャップか!」


男はカメラのような物を国務長官に向けて照射。


「これで話すことはできない・・・3時間後には、黒い雨が降るだろう。その雨を浴びて苦しめ」


国務長官は声を必死にだそうとしたが「・・・・・・」


「転送を頼む」


「了解」


陸軍長官:ヘンリー・スティムソン

ビルの屋上で十字架にはりつけにされた


海軍長官:ジェームズ・V・フォレスタル

いかだに拘束されたまま湖に放置



内務長官のハロルド・L・アイクスの場合は、急に廃墟ビルに転送された。


「ここは何処だ!それにお前は誰だ!私は内務長官だぞ」


「それが何だ」


手に手錠をされて足にも手錠が「ガチャッ」と・・・

それにバカ力で抵抗ができない。


そして肩を わしづかみされて引きずられる。


頭上には、朽果てたパイプがあった。

そして動けないように更なる拘束されて、そこから動けない。


「やめろ!やめてくれ!!何をする気だ」


「雨が降るから雨水をたっぷり飲むんだな、そして苦しめ」


目の前の男が急に消えた。


長官は必死に叫ぶ。


「誰か助けてくれ!」


叫び声が廃墟ビルに虚しく響く。






アメリカのトルーマン大統領は、暴動に恐怖して移動中だった。


「あの車に乗ってるのは、トルーマン大統領だぞ!みんなでやってしまえ!」


「トルーマンだと!俺の娘を返せ!」


そんな風に叫んで車の前で立ちはだかった。

しかし車は止まらず男は、宙に舞った。


「大統領がやることか!」


「人をいたぞ!人殺しだ殺せ!」


車の前方に椅子やテーブルが投げ込まれた。

そして車で正面衝突して、車を無理やり止めた。


警護の1人が「近づくと撃つぞ!」


「撃つなら撃ってみろ!」


警護の男の後ろから男が抱きついた。

更に前から拳銃を掴む男が現れた。

そして拳銃が発砲されて見ていた少女の胸に命中。

その場に倒れる少女。


「殺しやがったな!」


警護の男は倒されて蹴りで気絶しても暴行は、止まることはない。


そして車が大勢の人々に囲まれてトルーマンも警護の男も引きずりだされる。

警護の男はボコボコにされて瀕死状態にされている。


もうトルーマンを助ける者はいない。


誰かが警護の服を引き裂いた。そしてねじって紐にして掲げる。


「これで吊るし首だ!」


「やめろ!私は大統領だぞ」


「それが何だ!多くが死んだのに逃げ回って、責任をとりやがれ!」


「やってしまえ!」


街路樹に紐を括ってトルーマン大統領の首に首吊りの輪っかを・・・


「やめてくれ!お願いだ!」


誰も耳をかさない。


「車を動かせろ」


台の車が動きだす。


足をバタバタさせて、首に全体重が・・・

ピクピクともがきながらトルーマン大統領は、死んだ。


暗殺より酷いリンチで死んだ。



 



暫定政府が立ち上がった。

しかし、誰も大統領に就任しない。


「商務長官の君が大統領に就任するべきだ」


「嫌・・・絶対に就任はしない・・・君がやればいい・・・そう思わないか労働長官」


「それにしてもトルーマンやルーズベルトが死にやがって、すべての責任がこっちに丸投げになるなんて・・・」


「・・・・・・」


「それよに暴動が収まらないことを話そう」


「どうすれば良い」


「日本に降伏するしかないぞ」


「そうだな・・・死にたくないからな・・・これで暴動がおさまればいいのだが」



正式に日本へ降伏を表明した。

アメリカのアラスカが日本へ譲渡されて、賠償金の変わりとなった。

アラスカに住んでいたアメリカ人は、日本に帰化するかアメリカへ帰路するかの二択が与えられた。



1週間後には、トルーマン大統領の首吊り死体を撮った連続写真か掲載された。

それでも悪態をつかれる大統領として有名になった。


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