第6話中国




「1945年(昭和20年)8月15日に日本が大東亜戦争(太平洋戦争および日中戦争)で連合国に降伏したのか・・・それで引揚者ひきあげしゃは、どうなった」


「敗戦時点で海外に在住した軍人と民間人は660万人以上で、引揚げした日本人は1946年末までに500万人にのぼったようです。ただ残留日本人の160万人の実態については不明のままです」


「なんだ・・・現地においてきたままか・・・あ、殺されたりしたかも・・・」


「それを防ぐ方法をAIが・・・これです」


え!紙の書類だ。

あ!そうか・・・これを閣僚へ配れってことか・・・あ!これってハンコを押すのか・・・


ハンコを押してFAXで送ろうとしたらミサワに止められた。


「FAXで印刷されたハンコではダメです」


戦国武将の花押かおうを見ながら試行錯誤して完成させた花押。

一種のサインだ。

その花押の上にハンコを押したのに・・・


なんて無駄な手続きを踏んで作戦が実行された。




中国に90式戦車や16式機動戦闘車を送った。

輸送コストを抑えるため転送で現地に・・・


突然現れたから現地では驚いていた。


「なんだ・・・日本から事前に聞かされたが・・・まさに神風だ」


「隊長、これが有名なタブレットです」


「なんだと!」


奪うようにタブレットを取って見る。


「この戦車が90式戦車か・・・」



1990年に自衛隊に制式採用された戦車に模しているが全然違う物だ。

三菱10ZG32WTディーゼルエンジンは不採用。

変わりに超伝導電磁石使用のモーターを採用。

コンパクトでパワーもあって、エンジンのデメリットの発熱が無い。


戦車に搭載されたAIが100%の命中率を実現。

自動的に風速、温度、地形を判断。


走行も周りの状況をAIが判断。

運転者は、モニターを見ながらオートマのように運転できる。


▼目標

人間の目線で自動的に目標ロック。後はボタンを押すだけ。



なので乗員数は1名。



そして隊長は、1人で90式戦車を乗り回している。


「なんて戦車だ。これなら1人でも乗れるぞ」



急に戦車内に警報が鳴り出した。


焦った隊長は「何が起きたんだ!!」


モニターが切り替わって空を映し出す。

遠くて見えない点をズーム。


爆撃機の編隊がハッキリ見えた。


『空から敵爆撃機が近づいています。迎撃モードへの移行をしますか・・・』


「何がなんだか分からんが、遊撃できるならやってくれ」


『遊撃モードへ移行しました。ロックしました』


目標に番号が表示。


ボタンを押した。


「ドン」と砲弾が撃ちだされる。


感ずいた爆撃機が回避。

しかし、砲弾は追尾するようにコースを変えた。

そして爆撃機に命中して大爆発が起きた。


その飛び散った破片で、2機の爆撃機から白煙が・・・


徐々に高度を下げながら1機も爆破。

もう1機は地上へ落ちて爆破した。


「1発であの威力か・・・」


1番、3番、4番の番号が消えた。


あ!ボタンを押した。


2番の爆撃機が大きく旋回、しかし間に合わず大爆発が起きた。



「なんて戦車だ。この1台で15機を撃ち落すなんて・・・」


ハッチを叩く音でハッチを解除。


「隊長、凄い活躍を感謝です!」


手をギュッと握られた。

部下だが知らない面をみせるなんて・・・


戦車から出ると人だかりで・・・尊敬の眼差しで見られていた。


それからが大変だった。


90式戦車、16式機動戦闘車の操縦方法をマスターさせるのに1日を費やした。




日本軍の主力小銃は、ボルトアクション方式三八式歩兵銃さんはちしきほへいじゅう

1938年から大口径実包である7.7mmX58弾(九九式普通実包)を使用する次期主力小銃の九九式小銃を開発。

しかし戦争の悪化で三八式から九九式へと更新することができなかった。



なので新たに銃を配備。


▼89式5.56mm小銃

重量3.5Kg・有効射程500m

この銃は殺すためでなく負傷させて救護に人員を割く、そんな戦略目的でくるられた

銃の反動もすくない


▼62式7.62mm機関銃

重量約10.7kg・有効射程約800m


▼12.7mm重機関銃

本体重量38.1kg

有効射程は対地:約1000m・対空:約700m


▼対人狙撃銃 M24 SWS

重量は4.7kg・有効射程は800m


▼96式40mm自動擲弾てきだん

人が手榴弾を投げられる距離も20~30mで、擲弾銃はこの手榴弾と同程度の威力をもつ擲弾(てきだん)を発射機から撃ち出せる



「ダダダダダダダ・・・」と撃って驚く兵士。


「なんて凄い銃だ」


「この対人狙撃銃のスコープも物凄く見えるぞ」





人工衛星と繋がったモニターには、中国全土を24時間監視続けた。



「敵の位置が判明しました」


「今、送られてきたミサイルで攻撃は可能か・・・可能なら攻撃をして成果を見てみた」


「先程になって把握できるようになり、攻撃は可能です。ミサイルの威力を判断して4発を放てば、相当な被害を与えるでしょう」


「それはダメだ・・・降伏させて、こちら側へ引き込めと大本営からの命令だ」


「それなら弾薬庫にミサイル1発を放てば、それなりの被害ですむとハズです」


「準備が出来次第放て」


「了解しました」




「弾薬庫が大爆発しただと!・・・間違いでは・・・」


「間違いありません」


「それでは例の作戦が出来ないぞ」


「日本軍に道を封鎖されて物資も滞っており・・・どうしようもありません」


「あの爆撃機が全て落とされたのが悪かった」


「スパイからの情報では、凄い戦車だと・・・」




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