朝のベッド
朝の光が部屋に差し込みカーテンが淡く光る、二段ベッドの下段にいる周友と初果の小さな寝息が、静かな部屋に心地よく響いている。壁には二人で撮った写真やお気に入りのポスターが貼られており、ベッドの脇には可愛らしいぬいぐるみが並んでいる。床には昨夜読んでいた本が無造作に置かれ、机の上には教科書やノートが整然と並んでいる。
松南周友はゆっくりと目を覚ました。彼女は隣に眠る松南初果の方をそっと見つめる。初果の穏やかな寝顔を見て、周友は昨日の夜、涙をこぼした自分を思い出した。
初果は眠たそうに、双子の姉の存在を感じるかのように周友の手を握りしめた。周友はその手を軽く握り返し、少しだけ微笑む。そして、そっと起き上がり、寝ぼけたように初果を見つめた。
「ありがとう、初果ちゃん」と、周友は小さな声で呟く。
初果はまだ眠っているようだったが、その声に反応して目を開けた。「大丈夫?」と、寝ぼけた声で尋ねる。
周友は頷きながら微笑み、少しだけ肩の力が抜けた。
二人はゆっくりとベッドから降りて、それぞれのクローゼットへ向かう。周友は制服のシャツを取り出し、丁寧に袖を通していく。初果も同じように制服に着替えながら、周友を気遣うように時折目を合わせて微笑んだ。制服に着替え終わると、二人は鏡の前でお互いの姿を確認し合いながら、少しだけ身だしなみを整えた。
部屋を出て階下のキッチンへ向かうと、テーブルにはすでに朝ご飯が用意されていた。周友と初果は並んで椅子に座り、温かいスープやパンを口に運びながら、少しだけ会話を交わす。初果は、周友の無理をしないようにと注意を促す一方で、周友は静かに頷きながら朝食を済ませていく。
朝食を終えた二人は、リュックを背負って玄関へ向かう。靴を履き、外に出ると、まだ涼しい朝の空気が彼女たちを包み込んだ。初果と周友は、学校へ向かう道を二人並んで歩き始めた。
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