第22話 リザルト:影のユニークス
「ありがとうございます! まさかここまで速く解決していただけるとは!!」
「いえいえ。どういたしまして」
都市の市長からお礼を受け取る。
その額五億ガド。
これと中央都市議会がかけた懸賞金と合わせて、一つのギルドに十一億ずつ分配されたのであった。
そして俺はソレに加えて二つのスキルを手に入れた。
一つはユニークアワードとして、『分身共有』。
これはHP・MP・SPを共有し、テレパシーが使えるようになるスキルだ。
これから大幅に役立ってくれるだろう。
そして捕食によって手に入れたもう一つのスキルが……。
■
『影色の大群』
自分が取り込んだモンスターを複数体召喚する。
召喚したモンスターの経験値は共有される。
■
という、分体形成の劣化版と言った形のスキルだった。そう言うこともある。
まあ、きっと何かに役立つだろう。
そして俺は手に入れた十一億を使ってとあることを行った。
それは……。
□
「オーライ、オーライ!」
巨人が巨大な石材を運んでくる。
そしてソレを置く。
その石材を風属性で切り出して、整列させる。
そう。俺は復興作業に従事していた。
資材と私財をはたいて。
と言っても切り出した石材も、持ち運んだ木材も俺の分体たちが実際に取得してきた物なので、さほど金はかかっていないのだが。
「オーマさん、食事の用意ができましたよ!」
「おう、ありがとうな」
そう言って分体たちがわらわらと、スカイとアルリス、そして都市の人々が厚意で用意してくれたおにぎりへと集まってくる。
「ありがとうございます。オーマさん。まさか、都市の復興作業にも従事してくださるとは」
「まあ、乗り掛かった舟ですしね」
俺の分体の強みは人手だ。
ソレを無数に用意できることによって、多方面に恩が売れるのだ。
恩は良いぞ。値段が付けられない。だから、返し方には個性が出る。
「さて、それじゃあ、休憩も済んだことだし、作業を再開しますか」
というわけで作業へと戻っていく俺たち。
こうして、俺たちにとって二度目のユニークス討伐は、終わりを迎えたのであった。
□
「いやー、まさか號級すら出さずに対処されるとはね」
「予想外でしたね。もう少し粘って、損害を与えてくれるかと思ったんですが」
「まあ、いいさ。警戒すべき敵は分かった」
「オーマの事ですか?」
「そうだね。ああして派手に暴れてくれたことによって、彼への注目、そしてヘイトは貯まっただろう。我々は上手くそれを利用すればいい」
「セントルシア、壊滅のためにね」
——――
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『万病の覇王 ~ジョブ『キノコ農家』の俺、菌の力で無双する。燃料確保・食料生産・消毒治療・環境保全・疫病攻撃、何でもできます。え、美少女たちが次々に恋の病に罹っている? 何それ、知らん。怖……~』
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