第16話


 はて、どうしたもんか。


 今日は討伐の仕事もねぇし、酒場の手伝いもないんでゆったりと休みだった。


 気が付いたら宿屋のおばちゃんとも結構仲良くなれたぞ? 時々なんか震えてるが更年期障害だろうか・・・? 無理すんなよ?


 俺が泊ってる部屋は俺が自らこーでねぇとしましたよ。やはりコーディネートはこーでねーと(くそ激寒ギャグ


 つっても、部屋片づけてシーツ買って、おいしみを保存できる籠を買っただけだがな!! 服はこれと同じのを2着持ってるから交互にあらえばええやろ。


 そうなると後は金入れてる袋とナイフしまうベルトしかないんでかなりさっぱりしてるぜ? 特にほしい物ないしな! パソコンもスマホもないし玩具とかそんなもんもねぇ・・・と言うかそんなの欲しがる歳でもないしな。


 商人のおっちゃんを連れてきたらなんかぼーっとしてたがなんでやねん。綺麗だろうが? これ以上は俺の手作業では無理! そもそも掃除とかまったくしたことねぇんだわ! 洗濯も同じく!


 ととと、思考が明後日の方向言ってたわ。


 そろそろ現実に戻るとするかね!


 えー、俺氏絶賛子供達に拉致されております。


 何があったの? と言われるかもしれんが、俺ともしても何でこうなったのかわからんのよ。


 今日は休みだったから、おいしみ求めててきとーにぶらぶらしてたんだが、気が付いたら道に迷ってな! そういや俺方向音痴だったわ、あはははは!


 という訳で進めば進むほどなんかあちこち汚い場所についてな、ここがスラムと気づくまでに結構な時間がかかって、いざ戻ろうとしたらどうみても「俺達スラムのガキ」に囲まれてよ。


 【貴族の子供がこんな場所に! 捕まえればいい金になるぞ!】


 【着てる服もいい奴だ! もらっちまおうぜ!】


 【みろよ! こいつかなりの金持ってる! これで暫く食べていけるぞ!】


 【こんな場所にくるとか、馬鹿なやつだな! 奴隷商人に売りに行こうぜ!】


 何この世紀末!!


 セリフだけ見てると子供と言うか典型的なチンピラ系モブなんだが?


 そんなお子様ズが大小男女含めて6人もいると流石に俺がチートでも逃げ切れませんでした。押さえつけられて目隠しされて運ばれて、今なんか何処かに閉じ込められてます!!


 まだ奴隷商人うんぬんは居ないようなので売られてはないみたいだが? まいっためぅ、流石に子供にチートを使うのは憚られるめぅ。おれのきづいてきたせいそないめーじ? って奴がな? え? そんなもんない? そうでしたね!


 というか手足縛られて持ってるもの全部取り上げられてる時点で自傷する方法がほとんどなくてなぁ。


 最悪口は塞がれてないから、舌でも噛み切るかね? それで行けるとは思うが・・・にしてもスラムのお子様ってかなりアグレッシブなのね。


 声からして女の子だろうが、俺に向かって俺が可愛いからムカツクとか言われてさっきから一生懸命腹当たり蹴られてます。痛くはないが呼吸するのが割と大変よ?


 それも苦しくはないけどな!! 【泣きなさいよ!】とか【貴族様のプライドが許さないっての!?】とか言っては何度も蹴ってくる多分少女?


 すまんな。俺は貴族ではないんや、強いて言えばただのモンスター狩りとでも呼んでくれたまへ(キリッ


 んで蹴られる事暫く、誰か入ってきて何やってんだ云々で多分少女が引き離されました。おう、よくやったな褒めて遣わす。ちょっと蹴られ過ぎて胃液か血を吐いたけど許せよ? おう、俺様は大事な商売道具なんだろう? 大事に扱えよおぅ。


 相変わらず目隠しで何も見えないが、なんか男が身の上話をしておられるのん。


 いや、両親の顔も知らないとか言われても困るぅ~としか言えんわ。俺だって両親の顔なんざ覚えてねぇよ? ほとんど会話した事もなかったからな! 


 俺達はここから成りあがる―とか


 お前だけだ、お前を売って手に入れた金で武具を買って成り上がる―とか


 貴族だけが楽しんで生きられる世界を俺達は認めない―とか


 うーむ、もう少しまともに生きてたら主人公になっていたかもしれんなぁ。しかしながら子供を売って手に入れた金でなりあがるとか言われても「あ、はい」としか言えんし、そもそもの問題で・・・


 スラムの子供がそんな商売してもらえるん??


 俺なんて、普通に暮らしてても物価高すぎて買えなかったり、ガキは帰れって追い返されるのよ? スラムの君達が奴隷商人の所に行ったら寧ろ全員捕まるのでは??  


 スラムの子供に人権なんてねぇーーー! とかみたいに。


 にしてもまぁ・・・どうすんべか・・・















 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る