夏とホッキョクグマ

@sa0201

第1話

私はアリスタ!冬が好きで夏は大嫌い。最近はとても暑くて溶けそうな日が続いていた。私の敵は太陽だ。友達のアナスタシアとそろそろ熱中症で死にそうだなと思った時に私はウェイドに会った。彼は夏が大好きになっていた。ウェイドと喧嘩をした。前までは私と同じだったのに私の敵になってしまった。私は悲しみまくってベットに飛び込み爆睡した。そして朝起きるとなんと私は大きなホッキョクグマになっていた。まるで寒い北極に今すぐにでも出発したいかのように私は歩き出した。外は暑くてしゃがんでいると警察に囚われそうになり必死で逃げると動物園に入り込めた。そこにはたくさんのホッキョクグマのお友達がいた。そして私たちはご飯の時間になった。私はずっと食べていなくてお腹がペコペコだった。そしてたくさん食べてまたよく寝た。そんな時アナスタシアは私が消えたことを不審に思い、私の友達でもありアナスタシアの兄であるルフウと一緒に私を探す旅に出ていた。アナスタシアは私がきっと暑さに耐えられなくなってどこかで倒れているかどこか遠い山奥や北の国に旅立ったのかもしれないと思っていた。私を探してる途中でアナスタシアとルフウはある動物園に来た。それは私が暮らしている動物園だった。アナスタシアとルフウはホッキョクグマをみて、アリスタもホッキョクグマになっていたら北極で楽しくくらしていそうだねと言った。私は2人がいることに驚くと同時に久しぶりに会えたことに感動してとにかく手を振った。だけど2人はもちろん私がホッキョクグマになって動物園で暮らしていることなんて分からない。2人はただホッキョクグマが元気に手を振っているだけだと思い、私だとは気づいてくれなかった。私はその瞬間とても悲しくなり、人間に戻りたくなった。動物園はとても暑い。たしかにご飯は美味しいけれど毎日一緒だ。そろそろ飽きてきた。大切な友達と話せなくなった上に暑い。そしてご飯もおなじ。わざわざ私がホッキョクグマになった理由はなんだろうか。動物園に留まるのではなく、北極にすぐにでも行くべきなのか。それともとにかく早く人間に戻り、暑い夏と太陽と戦い続けるべきなのか。私はその夜ご飯を食べながら考え続けた。そして約3日間考えた結果、動物園から抜け出し、人間に戻る方法をみつけ、アナスタシアとともに太陽と戦うことを決めた。動物園から抜け出すのは簡単ではなかった。まず私が入ってしまったおりは外からは簡単に入れる。しかし中からは簡単には出られなかった。私が入った後に檻の鍵は新しくなり出づらくなってしまったのだ。そして外にはたくさんの監視カメラに警備員に従業員。私のような大きなホッキョクグマが抜け出したとなればとにかく目立ち、すぐに捕まってしまいさらに抜け出せなくなってしまう。動物園ではホッキョクグマの言語は話せないため一緒に抜け出す友達もいなかった。私は抜け出す方法をまず完璧に考えることにした。私はまだ日本語を聞き取ることが出来たため、従業員や警備員の数が少ない日、動物園の休園日などの情報を手に入れることができた。そして動物園から抜け出す方法を考え出すことができたが、まだ大きな問題があった。抜け出しても行くところがないのだ。ホッキョクグマが街を歩けば誰かが警察に通報してすぐ捕まえられてしまう。最悪殺されてしまう。そんなことになっては今までの努力が水の泡だ。抜け出すよりも先に人間に戻る方法を見つけなければいけないのだ。動物園の中では話す相手もいないし、調べることもできない。一体どうすればいいのか。アナスタシアは私が目の前に現れたら怖がって逃げてしまうだろう。野生のホッキョクグマが私だということは思いつかないし、怖がって逃げてしまうに違いない。だが、私はアナスタシアが私がホッキョクグマになってしまったことに気づき、一緒に人間に戻る方法を考えるしか道がなかった。そこで私はアナスタシアの両親の帰りの遅い日を狙った。動物園を無事抜け出し、アナスタシアへ駆け寄った。案の定アナスタシアは私からとにかく逃げた。しかし、私は日本語がまだ話せた。アナスタシアを呼び止め、事情を聞いてもらうことに成功した。アナスタシアは最初は理解が出来なかった。予想通りではあるが、ものすごく悲しかった。アナスタシアと街中を歩けばアナスタシアまで不審に思われてしまう。アナスタシアと話せるのは人がいない夜だけだった。そして自分の家にも帰れないため、居場所がなかった。夜の人が居ない公園でずっと人間に戻る方法を考え続けた。昼になれば人がたくさん公園に来てしまう。昼は山奥に移動するが山奥では蛇や変な虫がたくさんいた。私は虫や蛇が大嫌いだった。私は食べても平気なのか怪しい木の実や草を最初は食べていた。しかし、時が経つにつれ木の実や草だけでは生きて行けなくなってしまう。虫や他の動物を食べなくてはいけなくなってしまった。私は必死で人間に戻る方法を考えたが分からなかった。そして流星群が現れた時、流れ星を見つけては人間に戻れるように願い続けた。私はだんだん人間らしさがなくなってきた。夜、公園で話してる人達の話の内容が理解できなくなってきていたのだ。まるでアラビア語かのように聞こえてきた。私は焦りを感じ、アナスタシアに会いに行った。しかし日本語が話せなくなった私は野生のホッキョクグマと同じである。アナスタシアの言ってることも理解できず、自分の発する言葉はクマの鳴き声になってきた。神社に行き神様に願い続け、流れ星を見つけては願い続けた。しかし人間に戻れることはなかった。私はついにホッキョクグマの姿で夏を乗り越え秋になった。野生のクマはもう冬眠への準備を始める時期だ。しかし冬眠のやり方すら分からず、そもそも私は冬眠するべきなのかも分からなかった。ほかのクマの姿を見ることも無く冬がやってきてしまった。ホッキョクグマとしての冬は寒かった。服も着れない、暖房はなく今までの冬とは比べ物にならないほど寒かった。少し夏が恋しくなった。ものすごく暑いけれど今よりは全然いいと思った。アナスタシアとも3ヶ月ほど会えていない日々が続いた。アナスタシアは私のことなど忘れてしまっただろうか。アナスタシアのことを考えているのは私だけなのか。と考え続ける日々が続いた。その頃アナスタシアは私のことをホッキョクグマになったと信じきれないままルフウとアナスタシアを探し続けていた。最後に会ったホッキョクグマはほとんど日本語が話せていなかったからだ。最初はたまたま日本語が話せたように聞こえただけかもしれないと思い、アリスタはどこか別のところにいると信じ、探し続けた。そしてまた流れ星を見つけた時に私は人間に戻れるようにと願った。アナスタシアはアリスタとまた会えるようにとねがった。そして私は半分人間に戻ることを諦めながら寝た。そして、朝起きると私は家のベッドで寝ていた。ついに人間に戻れたのだ。カレンダーを見てみるともう冬だった。私は自分が人間に戻れたことにものすごく喜びを感じた。アナスタシアに会いに行くとアナスタシアは今までと同じように私に接してくれた。そしてホッキョクグマの話をして、アナスタシアが本当は違うのかと思っていたことや動物園から逃げ出す話をたくさんした。今までと同じようなアナスタシアの態度に私は感動した。そしていつもと同じように夏について嫌なことをいいあったが、夏が前よりも嫌いではなくなった。そしてウェイドにも会いに行った。私は夏が好きになっただけでウェイドに酷いことを言ったことを謝った。ウェイドは許してくれ、仲直り出来た。そして私はアナスタシアとともに楽しい冬をすごして、ついに憂鬱な夏が来てしまった。しかし、今までの夏よりも少しだけ夏が楽しく感じた。ウェイドやアナスタシアといつもと少し違う夏を過ごして、ホッキョクグマにならないか心配しながら過ごした。

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