第9話 装備を整えよう

「ご主人様、剣は買わないのですか?」

「剣?ああそういえばさっきのあっせん所の客は持っていたな」

「あっせんじょ……?ギルドですか?」

「ギルド……プッ。そうそう。それそれ。でも剣を買ってどうするんだよ。動画でも撮るのか?」

「どうが……?私たちが採りに行くのは薬草ですよ?」

「いやそれはそうなんだけど……。じゃあ鎌でも買うか」

「はい」


柴田は鎌が売っている店を見つけた。


「この店剣とかいっぱい売ってるな」

「武器屋ですから」

「この近くは物騒なんだな」

「はい」

「ハハ、冗談だよ。……。え?まじ?」

「はい」

「銃とかないの?」

「じゅう?」

「弾打つやつ」

「杖ですか?」

「だから弾打つやつだって」

「この店にはないみたいですね。高価ですし、売ってても庶民には買えませんよ。使い方も難しいって聞きますし」

「ですよねー。俺もいきなり使える自信ないわ。暴発(ぼうはつ)しても困るしね。じゃあこの剣と鎌を買うか。きみも一本買っとく?」

「私は回復専門なので、武器は使えないんですよ」

「ああ、箸より重いものを持ったことがないとかそういうやつ?まあ俺が守ってやるよ(キリッ)。癒し担当は頼むわ」

「はい(ニコッ)」


(今のカッコよかっただろ俺!)

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