第5話 呪い

 そんなワケで、青音は金髪の少年改めアレクと、そのお供のカエラムと共に魔女探しの旅に出ることとなった。


 それでは一体何がどういうわけで魔女探しをすることになったのかについてだが、別に青音が好みの顔の美少年に泣きつかれて判断力が鈍った挙句うっかり頷いたわけじゃぁ断じてない、青音は精神が強靭に出来てるのでその程度なら鼻で笑ってダメだし出来る。なら何故か、青音が少年らを助けた少し後の事だ。

 少年らに近付くと感謝、警戒、好奇心、不信感、様々な感情が籠った二対の瞳に見つめられ、対応が面倒だったので好感を多めに覚えてそうな方、アレクに現在地と今何年かについて聞いたのだ。カエラムの目がとっても怪しいモノを見るようなものになったが興味なかったので無視した。

 どうも今は前にこの世界にいた時から二百年程経ってるらしい、青音にとっては二年位しか経ってないのだが果たしてなぜなのか。こちらとあちらで時間の流れが違うのか、それとも世界を飛ぶ拍子についでに時間を飛んだのか、はたまた相手が二百年程経った今にこの世界から帰って二年後の青音を呼んだのか、分からんから考えるのはやめた。


 そして、現在地を聞く前にアレクが何か色々語り出した。

 なんでも、アレクの母が呪いで倒れたのだそう。

 今回森にいるのはその呪いをどうにか解くためにこの森のどっかに隠れ住んでるという噂のある魔術師を探して彷徨ついてたらしい。この世界には魔力があり、人間は魔術と呪いが行使できる、因みに青音は魔力を扱えないがそんな感じの力を感知は出来るのだが、少なくとも青音が感知できる範囲では魔術師らしき人間はいない、てか聖域の近くに住む魔術師なんざよっぽどの理由がない限りいない。


 そもそも魔術師を見つけたところで件の呪いは多分解けない。


 呪いってのは結構面倒で解く方法は多くない、術者が解くか、術の依り代を壊すか、術者を殺すか、呪いを解析して地道にちょっとずつ解除していくからしい。とはいえ呪いによっては術者が死ぬと強化されたり、依り代を壊すことが条件で呪われたりもするので乱暴な方法な取らない方がいいそう。

 青音には呪いを扱う才能がなかったので詳しくは知らないが元仲間に二人程才能があるヤツがいたし何なら旅の途中で絶賛呪われて困ってる奴も人ったので扱えないワリにはちょっと詳しいのだ。


 デそんなちょっと詳しい青音は少年らが呪い解くために魔術師を探しているって聞いて待ったをかけた。なんせ魔術師にとっては呪いってのは専門外なので、魔力を使って行使する術であることは同じなので全く分からないって程じゃないが術としては全然違うらしい、畜生仲間に魔術師はいなかったから魔術に関しては全然知らないが元仲間の魔女が魔術に関してそんな事を言っていたのでマァ魔術師にとっての呪いもそんなものだろう。多分。


 そんな事情を知っていたので呪いなら探すのは魔術師じゃなくって魔女だぞと言った。そしたらこの国では二百年くらい前に、もっと具体的に言うなら青音が元の世界に帰還を果たした辺りで魔女狩りがあったのだそう。多くの魔女が処刑され、ついでに魔術師もいくらか処刑されたそう。この世界の人間はどうも魔力を魔神の力として忌避しているようなのでマァ、多分この大陸で魔女を探すのはかなり大変なのだろうな。


 なので青音はもう一つの方法を提示した。

 教会に行け。

 いるかも分からない魔女だとか魔術師を探すくらいならカーロの大聖堂に行って聖女か聖騎士か、あるいは聖遺物の力を借りろ、それが一番確実だ。


 そういうと、少年二人は不思議そうな表情で顔を見合わせた、警戒心のケの字も無いようなアレクだけでなく青音の事を不審なモノを見る目で見てきていたカエラムもだ。そんな二人を青音もキョトンと首を傾げて見つめる。

 そうして、その二人に言われた言葉が二人と共に魔女探しをしようと思った理由だ。


 曰く、女神はもう百年近く誰にも加護を授けていないので聖女も聖騎士もいない。

 曰く、五十年ほど前から聖遺物が何者かに破壊されている。

 曰く、そも大聖堂は少し前に何者かに襲撃されてもう教会地道にちょっとずつ解除していくからしい。青音には呪いを扱う才能がなかったので詳しくは知らないが元仲間に二人程才能があるヤツがいたし何なら旅の途中で絶賛呪われて困ってる奴も人ったので扱えないワリにはちょっと詳しいのだ。


 デそんなちょっと詳しい青音は少年らが呪い解くために魔術師を探しているって聞いて待ったをかけた。なんせ魔術師にとっては呪いってのは専門外なので、魔力を使って行使する術であることは同じなので全く分からないって程じゃないが術としては全然違うらしい、畜生仲間に魔術師はいなかったから魔術に関しては全然知らないが元仲間の魔女が魔術に関してそんな事を言っていたのでマァ魔術師にとっての呪いもそんなものだろう。多分。


 この世界では魔術を主に扱う者を魔術師、呪いを主に扱う者を魔女と呼ぶ。なお、それらの素質には別に性別とか関係ないので女の魔術師もいれば男の魔女もいる、大変紛らわしい。マァ元の世界でも魔女、つまりWitchというのは男女関係ない呼び名なので間違ってないのかもしれん。そっちは魔術を扱う者の事だがこの世界じゃ魔術と呪いで扱う者の呼び名を分けてる関係で翻訳の方も魔術師と魔女で分けてるのだろう。


 そんな事情を知っていたので呪いなら探すのは魔術師じゃなくって魔女だぞと言った。そしたらこの国では二百年くらい前に、もっと具体的に言うなら青音が元の世界に帰還を果たした辺りで魔女狩りがあったのだそう。多くの魔女が処刑され、ついでに魔術師もいくらか処刑されたそう。この世界の人間はどうも魔力を魔神の力として忌避しているようなのでマァ、多分この大陸で魔女を探すのはかなり大変なのだろうな。


 なので青音はもう一つの方法を提示した。

 教会に行け。

 いるかも分からない魔女だとか魔術師を探すくらいならカーロの大聖堂に行って聖女か聖騎士か、あるいは聖遺物の力を借りろ、それが一番確実だ。


 そういうと、少年二人は不思議そうな表情で顔を見合わせた、警戒心のケの字も無いようなアレクだけでなく青音の事を不審なモノを見る目で見てきていたカエラムもだ。そんな二人を青音もキョトンと首を傾げて見つめる。

 そうして、その二人に言われた言葉が二人と共に魔女探しをしようと思った理由だ。


 曰く、女神はもう百年近く誰にも加護を授けていないので聖女も聖騎士もいない。

 曰く、五十年ほど前から聖遺物が何者かに破壊されている。

 曰く、そも大聖堂は少し前に何者かに襲撃されてもう建物として機能してない。


 それを聞いた青音は、それはもう驚いて頭を抱えたくなったが、それでもどうにか教会の地下牢獄がどうなったのか聞いた、大体予想できるが一応目的地だったので今どうなっているのか正しい情報が欲しかったので。

 マァ返ってきた答えは予想通り襲撃の際しっかり破られていたらしい、中に収容されていた囚人は脱獄、今大陸中で暴れているのだそう。


 つまりはマァ、ここまでの道すがら過去を懐かしみながら立てたフラグを見事に回収したってことだな。そのことに気付いた青音は「アァ、そー」と呟いてから息を吐いて、どうしてくれようかと空を見上げた。

 見上げた空はこの世界で最初に見たのと同じく、見事な快晴だった。


 ちょっと悩んだ青音は、目的地の変更を決めた。コレから道を聞いてカーロに行ったところで尋ね人はいないので。


 目的地、ソルテラ。

 ソコは大陸の両端の間にある島だ、魔女や魔術師が集まって住んでいる。

 別に少年らに手を貸そうとかは思ってない、けれど多分、用がある相手は同じなのでついでに引率でもしてやるかってなったワケだ。


 青音の嘗ての仲間には魔女が一人いた。

 魔女なので当然呪いを得意としていて、銀の髪と瞳の、とびっきり美しい魔女だったが正確にはちょっとばかし難があった、だがそんな性格すら魅力の一つだと思えるような美少女だった。魔力があると成長というか、老化というか、兎に角その速度が遅れるので件の魔女は少女の姿だった。

 そして、アレクから僅かに感じる呪いの魔力から考えて恐らく、彼の母、正確に言うならアレクの母方は一族を呪っている魔女本人だろう。


 コレで元仲間の一人の痕跡を見つけた、生きてるかは分からないがマァいいだろう、死んでたら墓に花でも供えるさ。

 後魔大陸に行くならソルテラを通るルートが楽なので元々カーロに行った後はそこに行くつもりだったし。


 魔女を探そう、同行するぞって言ったらアレクの方が快諾したので一緒に行くことなった。察してはいたがカエラムよりアレクの方が立場は上らしい。

 そんなワケで、青音は少年二人と一緒に魔女探しの旅の一歩を踏み出したのだ。

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