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侃侃諤諤

第1話

さあさあようこそ。ここはあなただけの世界です。やりたいことはありませんか?


あなただけの世界です。やりたかったことはありませんか?全部やりましょう。


スカートを捲りましょう。スカートを捲るガキをバカにしていたガキのあなたを救い出しましょう!なぜならここはあなただけの世界なのだから。


あなたは階段を上ります。さあ、目の前を女性が歩いています。歩いています!なんということでしょう、白磁の肌が蠢いている様に長い髪が地を掃くほどにたなびいて、それはなんと青緑のアニメ・カラー!短いスカートのチラチラと揺らめく姿はあなたを誘っています!お?パンツ?パンツか?見えました!パンツです!!!白いパンツ!私には見えました


めくりませんか?


どうやら捲らないようですね。なんでも、捲るのは面白くない、その先のパンツをずり下ろしたい、いや、その前にケツに鼻を押し当てて匂いを嗅いで、果ててしまうのがよろしいか、さて、なにはともあれ、もっと激しいことがしたいようだ。


なればこそ、その過程でスカートを捲る必要があるわけである!

ということは、ということはですよ。あなたのバカにしたガキどもは、その齢にして、魅惑のお●●こに一歩近づいていたわけである。童貞諸君の童貞たるはまさにその所以であり、齢一桁の頃から差は歴然であったわけだ。もしあなたが、治安の悪いガキ時代を過ごし、即ち捲り経験はあるのに童貞だというなら、あなたはお呼びじゃないんだ。ケツを捲って帰って欲しい。心優しくまっとうな人生を歩んできたゆえに童貞たるそこのあなた!さあ、スカートを捲りましょう。スカートはそこにある、あるったらある!さあ手を伸ばしなさい。目を閉じなさい。


分厚いサテン地のスカートがはためく。ツルツルとして手触りがよさそうに光沢を放ち、しかしその厚みから風に抵抗し、果実をあなたに見せてはくれない。白くぷっくり♡と膨れた腿が期待ともどかしさを与える。歩みを進めるたびにふわり、ふわりとひらめくスカート、熟れた桃のようにプリリ♡とした太腿があなたを誘う、しかしあなたはおパンツを拝めない!

彼女が振り向かないのをいいことにあなたは手を差し伸べる、ゆっくりと差し伸べる。期待に膨れたあなたの薬指は小刻みに震えそれを抑えるように、あるいは差し伸べた腕を押しとどめるようにあなたは空いた手のひらを利き腕に添える。しかし止まない武者震いにあなたはある種の諦観を得る、ええい、ままよ、と!


ふうとたどり着いたその布地は得も言われぬ夢心地、なんてったって、サテン地のスカートなんてあなたは触ったことがないのだから!それだけであなたは天にも昇ってしまった……。異常な恍惚を覚えたあなたはふと我に返り、窓から差しこむ日の光に気付くのだった。

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