第3話 爆乳彼女は俺の事を信頼しているらしい?
こ、こんなにもデカかったのか……⁉
街中の漫画喫茶店の個室にいる
今まで制服に隠れていて全然わからなかったのだが、目の前にいる彼女の姿を見て驚きの方が勝っていたからだ。
ほぼ密室な環境とは言え、いきなり如何わしい姿を晒す
それほどにデカい胸は、弓弦の視線をくぎ付けにしていたのである。
「で、でも、なんで俺に、そんな姿を」
弓弦は声を震わせ、彼女の顔を見やる。
「だって、竹田君なら、他人に言いふらしたりしないでしょ。私、信頼してるから、だから見せたの」
「信頼……俺、そんなに七海さんとはそこまで親密な関係じゃないのに」
一応、クラスメイトではあるが、親しい間柄として会話した事なんてない。
今は普通に会話できているが、信頼できるほどの関係性とは、まだ言えなかった。
「そうかもしれないけど。竹田君は口が堅いでしょ? 他人に色々と話すようなタイプには見えないし」
「イメージ的に?」
「そうよ」
千歳は頷くと、赤面したまま再び制服を着用していたのだ。
彼女の露わになった肌が隠れる。
それにしても、俺、七海さんと付き合ってすぐに、あんなものを見ても良かったのか?
彼女のブラジャーに覆われていた胸や、その谷間ばかりが弓弦の脳内で再生され、そして刻み込まれていたのである。
「七海さんって、今はサラシはしないの?」
弓弦は隣にいる彼女に問う。
「今はいいの。だって、竹田君って胸が大きいキャラが好きなんでしょ?」
「まあ、それはそうだね。え……というか、それについては答えていなかった気が」
「でも、好きそうな気がして。実際のところはどうなの?」
「それは……」
反応に悩み、小さな唸り声を出す。
しかし、まじまじと見つめてくる彼女に対して嘘は付けず、弓弦は恥ずかし気に素直な反応を見せた。
千歳は弓弦の仕草を見て察し、それ以上踏み入った話はしてこなかった。
彼女には自身の性癖がバレてしまい、胸の内が熱くなってきていたのだ。
しまいには、彼女の顔を面と向かって見れなくなっていた。
「で、でも、どうして普段はサラシをしてるの? 普通にしていた方がもっとモテるような気がするけど」
千歳の胸の大きさは高校生とは思えないほどなのだ。
あれほどの大きさであれば、自分のモノにしたいという異性が現れてもおかしくないだろう。
モテる要素は沢山あるのに、それを利用しない手はないと思う。
そういった事をしないのには何かしらの考えがあるのだと思い、弓弦は彼女の様子を伺う姿勢を見せた。
「私、隠したいから」
「隠す?」
「皆、私の胸ばかりで、私の内面を全然見てくれないから。だからね、サラシで小さく見せるようにしてるの。本当に心を開ける人にしか見せたくないし……」
千歳は頬を真っ赤にしたまま、弓弦の事を見つめていた。
弓弦の事だけは本当に信頼しているようで、その瞳に偽りは感じられなかったのだ。
「私、中学生の頃から発達し始めて。その時から結構、告白される事も多くなったんだけど。でも、大体、胸だけで選ばれることが多くて。それが悩みだったの」
千歳は過去を振り返るように話してくれていた。
その表情は悲しいものだった。
あまり言いたくない事情だとは思うが、信頼しているからこそ勇気を持って打ち明けてきたのだろう。
「でも、竹田君なら、胸だけで付き合おうとか言わなそうだし。そうだよね?」
「お、俺も胸には興味あるけど」
「でも……私のことを胸で判断せずに親切にしてくれたじゃない」
千歳は両手で弓弦の右手を包み込んできた。
「え? そ、そうかな?」
「だって、今日も私の頼みごとを聞いてくれたから。私、他の人に委員会の準備を手伝ってってお願いしても時間がないって断られることが多いし。同性は普通に手伝ってくれるからいいんだけど」
女の子から直接的に褒められると恥ずかしい。
その上、両手で手を包み込まれていると、千歳の温もりを感じられ、彼女の事ばかりを意識してしまう。
「そ、それはさ、頼まれたから」
「そういう風な優しさがあるのは、竹田君しかいないから」
「そ、そうなのか?」
「そうなの」
千歳からの評価はなぜか非常に高いらしい。
「竹田君になら、もっと色々な事をしてあげてもいいんだけどね」
彼女は弓弦の右手から両手を離すと、距離を狭めてきた。
同時に彼女の豊満な胸までもが、弓弦の左腕を圧倒し始める。
これって……というか、思ったよりもデカいな。
肩に当たった事で、その大きさを直接的に感じられていた。
見るのと感じるのは天と地ほど違う。
千歳は小さい胸をコンプレックスにしているという噂があったが、アレは嘘だ。
噂なんてものは当てにならないと思った。
そ、それにしてもやっぱ、こんなにデカかったら、告白したくなるよな。
密室ゆえに、彼女の胸ばかりが気になってしょうがなかった。
このままでは理性がどうにかなってしまいそうだった。
「い、いいよ、今は」
爆乳な女の子からの誘いは極力断りたくないが、このままでは理性的な問題も生じてしまいそうで、弓弦はハッキリと拒否したのだ。
「今はって、後でしたいってこと?」
「そ、それは……まあ、後で考えておくから」
弓弦はその場の雰囲気に圧倒されないよう、彼女から距離を取る。
このまま流されてしまったら、後戻りできない関係性になってしまいそうだったからだ。
それが怖く、個人的には嬉しい瞬間ではあったが、言葉を濁しておいたのである。
「でも、君の事は嫌ではないし……むしろ」
「むしろ?」
「えっと……まあ、そういう話も後で」
緊張しまくっている時に余計な話をしても、会話がまとまらないと思う。
弓弦は一度深呼吸をした後、彼女の制服からでも把握できる胸を見て、照れながらも咳払いをした。
やはり、彼女の胸は気になるもので、どうしても見てしまう。
「私はいつでもいいから、その気になったら私を誘ってもいいからね」
千歳とは距離を取ったものの、彼女は再び近づいて来て、さらに胸を押し当ててくる。
弓弦は彼女の体の柔らかさを感じ、赤面していた。
これから彼氏彼女の間柄として、千歳の胸を感じられる事に嬉しさもあるのだが、それよりも不安な感情も大きかったのである。
弓弦は終わりの時間になるまで、爆乳な千歳と共に漫画喫茶の個室で過ごす事となったのだ。
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