episode2-2 雨だれの前奏曲

 アラームの音にびくりと体を震わせる。

 依織は手探りでスマホを探すとアラームの音を切った。部屋の中にはカーテンの隙間から薄く朝の光が差し込む。浅い眠りの中をさまよう間に、雨は上がっていた。

 スマホの画面をボーッとした頭で眺めていると、メッセージの通知が来た。

『今日、C-8に行こうと思う』

 メッセージの主は直で、内容はとても短く感じた。

 依織は「わかった」と返したあと、数秒おいて「ありがとう」と付け足した。

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