転移して【転移】貰った

第1話 やっぱ【転移】っしょ

　転移という言葉を聞いて、最初に何が思い浮かぶだろうか。

　定番はやっぱ異世界転移だろう。

　もったいぶってもしょうがないから言うけど、俺、異世界転移したんだけど、転移する時にチートが貰えるのって定番じゃん？

　で、俺もそんなテンプレ通りにチートをもらたんだけど、何を貰ったかというと【転移】というスキルを貰ったわけだが、効果は名前の通り転移させる、、それだけ。

　貰えないよりはましだけど、どーせならさ、戦闘向きの奴の方がよくね？

　まあ、そんなことは、置いといて、自己紹介がまだだったな、俺の名前は、隼人（はやと）だ。どーせこの異世界に漢字なんて概念はないだろうから誰かに名乗るときはハヤトって名乗ることにする。

　そして、可愛い女神様にチートを貰った後は異世界に転移させられたわけだが、　転移した場所がよくわからん迷宮だったんだよ。てか、まず、なんで、俺が転移させられたについてだが、さっき、女神さまに聞いたら、俺が暇そうだったかららしい。

　意味わからん、その一言に尽きる。俺は16歳の高校1年生で仕事（ゲーム）があるというのに、暇そうとは失礼なこった。

　と、まあ、説明はこのくらいでいいかな。それより、まず、ここから、出たい。

　先ほど俺は迷宮と言ったがよくある魔物は今のところ一匹もいない。あるのは、少し離れたところにある扉だけ。

　ここで悩んでも仕方がないので扉まで歩こうと思ったのだが、せっかくなら【転移】を使ってみようではないか。

　とは、言いつつ、やり方はわからないので、とりあえず、自分が扉の前に転移するのをイメージする。

「転移」

　と言うと、気づいたら扉の目の前にいた。どうやら、やり方は、間違ってなかったっぽい。

　使い方が分かったのはかなりでかい。

　そして、錆びて硬くなった扉を頑張って開ける。その先にあったのは、光へと続く階段だった。

　階段を抜けた先には、ものすごくでかい草原が広がっていた。遠くには山もあるし近くには川もある。川が近くにあるなら、なんとか今日は生き延びれそうだ。

　というか、今気付いたのだが近くにスライムがいる。川に行くためにはスライムがいる場所を通らないといけない。でも、俺には、転移がある。スライムを回避するのは簡単だ。

　でも、スライム程度に勝てなかったら、きっとこんな世界で生きていくなんて無理だ。今後、生き残るためにも、俺はスライムと戦ってみようと思う。

　スライムの数は3体、こちらは俺一人で武器もない。スライムに素手で触るなんて絶対嫌だ。割と絶望的状況だけど、策が全くないわけではない。それも、あくまで成功すればの話だが、その作戦というのは【転移】でスライムを空中に転移させて、落下ダメージで倒そうという作戦だ。試してみる価値はありそうだろ？

　俺はスライムの一匹が空中に転移するイメージをする。

「転移」

　俺の言葉と同時にスライムは空中に転移して、そのまま、落下して地面に衝突してはじけ飛んだ。

　これで、分かったことがある、転移させれるのは自分だけじゃないようだ。

　そして、先ほどと同じようにスライムを転移させる。地面に衝突してはじけ飛ぶと同時に「レベルアップ」という、声が聞こえた。

　いきなりすぎて、ちょっとビックリしたけど、スライムを倒したから経験値が手に入って、それでレベルアップしたんだろう。

　レベルアップしたわけだが、する前と比べて、ほんの少し身体が軽くなった気がする。

　きっと、HPとかが、上がったんだろう。上がってないと困るけど。

　そして、俺は川に向かって歩き出す。