病弱聖女は死後の世界への道で目覚める

 アンティリギアと激闘を繰り広げる


「魔法来ます!」

「問題無い!」

「後少しだ!押し切るぞ!」

「吹き荒れろ風蹄!」

「うぉぉぉ!」


 そして討伐に成功する

 討伐隊は素材を回収して戻り研究所に送る


「アンティリギアの素材……助かります」


 受け取った研究員が嬉々として素材の一部を使って実験を始める


「新しい素材!? すげぇな」

「これなら進むぞ!」

「マナに近付ける実験成功した! これなら人に害は無い!」

「おぉ! 進んだな!」

「良し徹夜だァ!」


 疲れでテンションが壊れたのか叫びながらやっている


「アンティリギアも討伐したか。死者はゼロ、とんでもないな」


 王様とレオナルドは会話をする


「精鋭で挑んだからな。その間何かあったか?」

「盗賊団の残党が暴れたくらいだな。ただそれは教会の聖騎士とシスターがフルボッコにして解決した」

「そうか、他には」

「特にないな」

「なら他の危険度Aを狙う」

「他の危険度Aは生息地が遠いです。どうしますか?」

「比較的近い奴を狙う」

「分かりました」

「まずは休め、疲れているだろ。急ぎたい気持ちは分かるが焦るな」

「……そうだな」


 アナスタシアは眠り続けている

 目覚めはしないが生き続けている

 医者が言うにはいつ死んでもおかしくは無いとの事

 それぞれが出来る事をする

 時間は止まらず日々は過ぎていく


 ~~~


「知らない天井」


 見覚えがない天井……いや天井は無い真っ白な景色だけだ

 起き上がる、身体が問題無く動く


「どうなって……」


 周りを見渡す

 ただ真っ白な世界


「目覚めましたか」

「貴方は?」


 声がする方を見る、そこには煙のような何かが漂っている


「私はネル、私の事は良いのです」

「……ならここは?」

「ここは死後の世界への道です。全員が全員来る場所ではありませんが」

「道?」

「はい、貴方は病で死にました」

「そうかぁ」


 身体が軽い、苦しみも無い

 おかしいと思った

 だが死後の世界なら分かる


 ……道? ここは死後の世界では無いのかな


「動揺も驚きはしないのですね」

「まぁ死ぬなぁとは思ってたから」

「では案内します」

「案内……」


 煙に付いていく

 静かで他には誰も居ない


 ……なんか変な感じ


「ここに来た人はみんな死んでるの?」

「……死んでいます」


 返答に間があった

 私の質問がおかしかった? いやこの質問は特におかしい所は無いはず

 真っ白な世界を進んでいく


「ネルは案内役?」

「はい、私は案内役をやっています」

「何回も?」

「はい、結構な数やっています」

「そうなんだ……みんな死んだ事を驚いたりする?」

「人によりますね」

「戻りたいと言う人は?」

「居ますよ。ただもう死んでいるので戻る事は難しいです」


 そして真っ直ぐ進んでいると扉が見えてくる

 巨大で綺麗な扉


「この先が」

「死後の世界」


 扉の前に立つ

 すると扉がゆっくり開く

 扉の先はこれまた真っ白な世界


「入らないのですか?」

「少し思ったんだけどまだ死んでいないとか?」

「そう思う理由は?」

「ここは死後の世界への道、死んだら死後の世界だと思うんだよね。後私の質問に対して変な間が空いてた。それはここに来た時点ではまだ死んでいない人も居たと取れる。私の予想でしかないけど私はまだ死んでいないのではと」

「例えそうだとして貴方は何を?」

「まだ死んでいないのなら私は待ちたい」

「可能性があると?」

「死んでいないのなら可能性はある」


 特効薬が作られる可能性はある

 死んでいないのならまだチャンスはある

 私は自分が死ぬ事は構わないが生きられるのならそれを諦める気は無い

 扉の前で座り込む


「待っていても何もありませんよ」

「私は頑固なので私が諦めるまでは待たせて貰います」


 ……待つか別の道があるのかな?


 待っているが何も無い

 待つのは違うのかもしれない

 立ち上がる


「ついに行く気に?」

「探索!」

「は?」


 死後の世界への道だから死後の世界ではないが見て回りたい

 何か無いかなぁと探す

 付いてくる


「ついてこなくていいけど?」

「貴女1人ではここに辿り着けませんから」

「……確かに」


 周りを探索する

 真っ白で何も無い


 ……何も見つからない


 体力が減る様子は無いのでひたすら歩き回る

 時間も分からず歩き回る

 歩いていると突然床が揺れる


「な、何!?」

「時間が来ました」

「時間?」

「死の獣、彼に殺されたら死後の世界に強制的に移動させられます」

「……魔法は?」

「使えますが聖女が1人で勝てますかね。今のうちなら殺されずに済みますよ」

「やって見なきゃ分からない」


 全長4mはある大きな真っ黒な獣

 こちらに殺意を向けている

 殺す気で来ると分かる


「命を捧ぐ者に聖女は力を貸す戦聖女の声ベル・フェルース


 まずは支援系魔法を掛ける

 これで身体能力を強化する、ネルの台詞からしてこの獣は強い


「光よ聖女の名を持って命じる、剣となりて悪しき者を打て! 光の罪剣ジャッジメントソード


 光の剣を飛ばして攻撃を仕掛ける

 獣は避けない

 光の剣が命中し消滅する


 ……触れた瞬間消えた……消された?


 獣が動く

 動きは速いが避けられない程では無い

 横に飛んで回避して光の剣を飛ばし続ける

 当たっても消される

 回避をする

 避けられるならチャンスがある

 攻撃を避けて光の剣を飛ばそうとすると横から攻撃を受けて吹き飛ばされる


 血を吐く


「な、何が」


 横には何も無かったはずと自分が先程居た場所を見る

 そこには蛇が居た

 その蛇は獣の後方に引っ付いている


 ……まさか獣の尻尾が蛇!?


 これは魔物が2体居るような物

 確かに1人だと厳しい

 他にも攻撃魔法が使えるかもしれない、防御魔法、治癒魔法なども扱える可能性がある

 ヒールを掛けて立ち上がる


「死にますよ」

「足掻きます」


 死の獣と戦う

 使える全ての魔法を駆使して死の獣と渡り合う

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