おわりに
結果、御斗田島の新しい王は決まらずにこの“選抜試験”は終わった。
最後に筆者は再び王に話を聞いた。
「新しい王が決まらずに終わってしまったのは残念だ。次に同じことを行うかどうかは今の所未定。このままだといずれ御斗田島の“生態系”は崩壊するだろう。何か別の手を考えた方が良いのかもしれないね」
王自らがアルファと番うことはないのか、と訊ねると「それも良かったのかもしれないが、もう遅いね」と笑った。
単為生殖という人類史上稀に見る生態を持つ“王”が統治する御斗田島。最後に、王の言葉をここに記して終わりとしたい。
「人類は自分勝手な自然破壊によりあらゆる生き物を絶滅させてきた。そして今、自らをも存亡の危機に晒している。我々は絶滅する人種の最初のひとつになるかもしれない」
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