第四話 魔女
“彼女”が脱出してから一年と六ヶ月が経った。私は順調に魔女になるためのタスクをこなし、今魔女になるための準備段階へと至っている。
それまでに6人いた子供達は一人の脱出と四人の死亡(?)により、私一人だけとなった。
今はその準備へと至っている。
「魔女になるために1207番にはしてもらわなければならないこと3つあります。一つ目が成人20人の殺害、二つ目が通称魔女の魔炉と魔女の目の移植、三つ目は無垢な血の吸引です。これらは段階的に行われる必要があり、今日は二つ目の魔女の魔炉と魔女の目の移植をします。これらは精密な作業により行われる物なので失敗はほとんどないと言ってもいいでしょう。」
彼女の行っていることはこうだ、魔女になりたければ人体移植をしてから20人の人の殺害と赤ちゃんの血を飲めと言うことだ。普通に言っていることは狂っているが、魔女になるために必要な条件というのならば甘んじて受け入れるしかない。
「わかりました。」
「では、ついてきなさい」
私は研究員についていく、ついていった先には概ね知識にある手術室のような風貌をしており、内装は綺麗だ。私は受ける側なので移植の大変さはわからないが、見知った医療の専門家と、研究員らしきひとが総勢9人と多い。
「ではこのベッドで寝てください。」
私はベットになると目を瞑って、
すると、だんだん意識が遠くなって…
●研究者視点
今から1207番の手術が始まる、彼女は今までで最高傑作と呼ばれる魔女候補だ。
魔女とは、魔術を自由に操ることができる魔術のいわば絶対的存在とも言える物なのだが、やろうと思えばそこらの一般人、私でも魔女になることはできる。ただ魔女にならないのは理由がある、それは魔女とは容姿と精神力が良ければ良いほど、魔女としての完成形となるからだ。私たちは
彼女が魔女になることは確定として、私たち研究職員達は全力を注いで彼女の育成及び魔術の理解度の底上げに勤しんだ。
ただ、以前の子供達の記録から、教育に注ぐ時間を増やしすぎるのは子供の精神発達と思想形成に
そして、彼女は努力家だった、間違えがあればすぐに治すし、武術に関しても知識だけではなく体も動くように、その武術の動きをしていた。特に、アサルトライフル、ピストルなどの銃術とナイフ、槍、剣、棒術はかなり頑張っていた。彼女は武の才もあったのかも知れない。
私たちはそんな彼女に手術を施すのだが、失敗するわけにはいかなかった、様々な、実験台で手術の技術を上げ、成功率をあげ、研究所最新の技術と機械とAIによって失敗しないように成功率はほぼ100%、失敗などあり得ない。
そんな手術を今から彼女に行う。
“魔女の目、魔女の魔炉”それらが彼女に移植するものだった。魔女の目とは魔女になるための魔術と魔法陣、魔力を最大限入れ込んだ目であり。魔女の魔炉とは魔術を永遠に捻出し続ける、魔道具と魔術を合わせ込んだ物である。魔女の目は彼女の左目に、魔女の魔炉は心臓の真横に移植する。
私は研究者だ、魔術の探求者ではあるが医術の専門家ではない、私は彼女の魔力が乱れないように必死に魔力の安定を維持する為の人間だ。正直手術に関しては凄いの一言しか言えない、なぜなら知識がないから、私は魔力だけをみて、彼らは彼女の身体だけをみて、集中していればいい、失敗などは許されない。
私が魔力の安定化に必死になっている間にどうやら移植は終わったらしい、一安心だ。部屋に戻ったら晩酌でもしよう。
●意識は変わって
意識が起き上がってきた、瞼を開けると目に違和感を覚えた、片目だけ魔力が可視化でき、視力が良い、右目を瞑って左目だけに集中すると研究員たちの動きが少しブレたと思ったら彼らのはそのブレを辿っていった。どうやら研究員達の少し先が見えるらしい。一人に目を凝らすとズームになだたかのように拡大して、この目で遊ぶのは楽しかった。
あともう一つの違和感は心臓の辺りが温かくなっている。体から無尽蔵のエネルギーが出るのが感じる。私はそれの制御の仕方を理解した。今は一旦抑えておいて、前の私くらいにしよう、本当に必要な時は解放したらいい。
「手術は終わった、ならない感覚もあるだろうから今日のところは休め、明日から次のプロセスに入る。それまで心の整理をしておけ」
「はい、」
残りは二つ、気が重いのが残ってしまった。だけど、結局は通る道だ、新しくなった自分の体には興味はあるが、これ以上体に負担を掛けるのも良くないので、寝ることにする。見えない疲れというのもあるかも知れないし
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