連絡が来た!


 そしてレベル上げや検証をしつつ、満月から一週間が経過した。

 ニンジン屋をやらない上にナミミ様が居ないとこんなに平和に日常が進むんだなぁ、とのほほんとしていた。


 え、イロニムとのぴょんぴょん? 一緒の布団で寝てるくらいであんまりしてないよ。ナミミ様じゃあるまいし。少なくともえぐいのはしてない。

 なんというか、ナミミ様から解放されたイロニムがめいっぱい体を休めてる感じ。いや、再会したナミミ様に備えて体力を蓄えてると言ってもいいかもしれないな……



「あ。コガネ、そろそろ定時連絡チェックの頃合いじゃない?」

「おっと、そうだな」


 イロニムに言われて思い出し、俺はニンジン召喚のリストを出す。

 その中のリストで、お気に入り登録された10件のうち1つが消えていた。 


「『黄色のニンジン型メモ』か。どうやら何か進展があったらしい」

「お、なんだろう?」


 登録してあるのは5種類、色違いのニンジン型メモを2つずつ。

 そのメモが1つ欠けたら『もう片方にメッセージを書いた』の合図だ。

 あとはそれを俺の手元まで呼び寄せれば連絡が取れるって寸法よ!


 そう、これぞ『ニンジン召喚』を用いた連絡手段。名付けて、ニンジン召喚便である!


「ねぇ今更だけど、よく考えたら『呼び寄せた時は、元の場所への送還』もできるんだよね? ニンジン柄の交換日記とかでもよかったんじゃない?」

「……」


 イロニム。……ホント今更だな。それもっと先に言ってよ! これ相談してた時は頭ぴょんぴょんしてたもんなぁ……ッ!

 あ、いや、ほら。送還で距離がめっちゃある時にちゃんと送り返せるか未検証だったから! メモが返せるかどうかも実験はこれからだから!


 一応呼び寄せができない場合に備えてリストから消した色とかでも状況が判別できるようになってるから! 黄色は良くも悪くもという感じ!


 ともあれ俺は『黄色いニンジン型のメモ』をニンジン召喚――手元に呼び寄せる。

 これはあらかじめナミミ様に預けていたメモ帳で、ファンシーな一品だが、そこにはナミミ様の凛々しい字が書き加えられていた。



「何々……えっ、マジか」

「ナミ、なんだって?」

「無事バニーに戻れたらしいよ。そんでハサミ様を倒して、なんとか独立の許可をもぎ取ったらしい」

「おお! 凄く順調じゃん。あれ、でもそれなら青色のメモを使うはずだったよね?」


 そう。色でも判別できるようにしていて、これほど順調なら本来青色という取り決めになっていたはずなのだ。

 ナミミ様が単純に忘れているというのも考えられなくもないが、一応その理由らしき内容はメモの後ろに書かれていた。


「3年の期限付きで、それまでに妹が出来なければムーンフォールを継げ、ということらしいな」

「3年? 人間はそんな短い間に子供ってできるもんなの?」

「エルフはできないのか」

「ママは私を10年くらい妊娠してたってさ」


 エルフの時間間隔は妊娠期間にも影響する模様。単純に大変そうだわ……。


「3年なんてあっという間だよね」

「ちなみに俺がこの世界に来てからまだ2か月ちょいなんだが」

「え!? もう3年くらい経ってる気分だったよ……コガネと会ってから人生が濃厚すぎる……」


 なんにせよ一応はムーンフォール側も許可が取れ、魔王様宛にも手紙を書いたようなので、それが届けば本格的に動けるだろう。

 ……前線砦に手紙が届けば魔王様に届くのかな? だとすればホントもうすぐかな。準備しとこ。



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(ここまで読んでいただいてありがとうございます!

 そういや今月24日発売の#コンパスノベライズ、「ラヴィ 吸血鬼王の華麗なる伝説集」、そろそろだからな! 24日発売ですわ!

 尚、同時発売、玄武聡一郎先生の方の「ラヴィ THE MUSIC NOVEL ギゼンシャ・クライシス」と併せて買うと抽選ですりぃさんのサイン入りポスターが当たるかも……らしいのでこちらも要チェックですわよ!

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