ニンジン召喚3
さて、魔王様がお帰りになられて俺とイロニムの二人きりになったので、改めて検証をすることにした。
「で、コガネ。『ニンジン召喚3』ではどういうことができるようになったの?」
「ああ。マンドラゴラを出せるようになった」
「……? 前から出せてたよね? マンドラゴラ」
「あれは乾燥させたヤツだっただろ? 今度のは生だ」
生。そう、生きたマンドラゴラを出せるようになったのだ。
というわけで早速森の中、地面に向かって『ニンジン召喚3』を使ってみる。
「えい、『ニンジン召喚』!」
「!!……これは、マンドラゴラの葉っぱ……!」
「ああ。うまくいったな」
そこには地面から生えるマンドラゴラの葉っぱ。成功だ。
「……で、これどうするの? 抜いたら叫ぶよね?」
「あっ」
マンドラゴラの叫び声。それは生物の命を奪うという危険な代物だ。
「……こんな森の浅いところにマンドラゴラ放置するのもダメだよ?」
「う、そうだな。消しとくわ」
召喚したものはMP消費すれば任意で消せる。それは今までと同じ仕様なため、マンドラゴラを消す俺。
しゅぽん、と地面から生える葉っぱが消えた。
……ん?
「これで安心だね。ちゃんと対策した上でなら生のマンドラゴラ取り放題って凄いよ!」
「ああ、そうだな……と、イロニム。そこ気を付けてくれ。マンドラゴラの生えてたところ」
「え? きゃあ!?」
ずぼぉ、とイロニムの足が地面にめり込んだ。
「な、なにこれっ!? 穴!?」
「マンドラゴラを消した分、穴が残ってたっぽいな」
「ああ、そういうことか……ん?」
「うん。つまり、デカいマンドラゴラを出して消せば、そこには大きな落とし穴ができるってことだ」
そう。これはすなわち俺に新たな攻撃手段――落とし穴瞬間生成ができるようになった、ということである!
フフ、『ニンジン召喚3』になってパワーアップしてしまったな。好きな場所に落とし穴を作れるとかかなりの戦略性のある魔法じゃないか。
「ねぇコガネ、消えた分の土ってどこに行ったの?」
「え、知らない」
「何それ怖い。時空系なのは間違いないんだけど、そこらへんどうなってるんだろ……」
おっと、そういえばイロニムは転移魔法の使い手。そこらへん気になるんだなぁやっぱり……いや、でもほんとどこに消えてるんだろ土。あと消したマンドラゴラもどこに消えたんだか。
「そうだ、ちょっと雑魚モンスター捕まえてくるね、それに生やせるかやってみて」
「あ。そういえばナミの言ってたやつだなそれ」
相手の魔力抵抗を貫けば、相手の体内に直接ニンジンを出せるんじゃないかっていうやつだ。
即死ニンジン召喚、使えるようになったか? と試してみるが、これについては相変わらずできなかった。
多分、INTやMNDとかの値はそのままだからだろうな……ま、落とし穴が作れるようになっただけヨシとするか。
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