ナミミの復活(ナミミ視点)
「さて。これでINTも戻っただろう? 改めて説明してくれ」
「はい母様。私が第三勢力として独立したいと決めた理由ですが」
そしてナミミは改めてハサミに話す。
先ほどよりははっきりと筋道の立った説明で、ハサミもそれがどういう話か理解できた。理解でき過ぎてしまった。
「……つまりコガネや魔王の娘とぴょんぴょんしたいので遊ばせてくださいということだな?」
「…………なんでしょう、その通りです」
結局、つまり、まとめて要約すると、そういうことだった。
「ナミミよ。母はこういう事態になるから程々に遊べと言っていたのだが、理解できるか?」
「……理解はできます」
「納得もできるがしたくない、といったところか。まったく、危惧した通りの事態だな」
INTの戻ったナミミは、それを認めてゆっくりと頷いた。
「……まぁ、母もその気持ちは分からなくもないが」
「ですよね!」
「母もマイベターハーフとひたすらイチャイチャして過ごせるならそれに勝る喜びはないので、可能ならさっさとナミミに家督を譲ってそうありたいところだ」
「ですよね……」
「なので今から妹を作れというのは、その間ナミミに領主の仕事をしてもらうことになるぞ? 母はベターハーフと生半可なぴょんぴょんをするつもりはないからな」
「……生半可じゃないぴょんぴょん……気になります」
「大事なのはそこじゃあない。そこじゃあないぞ」
こくり、と頷くナミミ。分かってはいる。分かってはいるのだ。
所詮子供のわがまま――内容的にはアレだけど――であると。
「でも母様。私はコガネさんと、ロニーと、あとついでにサナチとツーシにも約束しましたので、守らねばなりません」
「相手については想定外だな……であれば。我儘を通すだけの力を母に示して見せよ。表に出なさい」
「はい。母様」
ハサミが小屋の外に出て、ナミミが付いていく。外で待機していたサナチが声をかける。
「あ、ナミミ。本当にバニーに戻れたのね」
「サナチ。はい、おかげさまで戻れました」
「サナチ、ツーシ。ナミミの助力して良いぞ、来い」
細かい説明を省いて二人も呼ぶハサミ。
だがさすがはバニーと言うべきか、その一言でツーシはどういう話になったかを察した。
「ハサミ様。それはつまりそこそこ健闘すれば独立を認めてくれるということですか?」
「ぶちのめして現実を教える」
「あ、はい」
とりあえず、ナミミに協力してなんとか健闘しないと話にもならないという事らしい。……一瞬本当にナミミに協力していいモノか悩んだが、できればコガネとぴょんぴょん(さらに言えばクイパシ)したかったので、ツーシはやっぱりナミミに味方することにした。
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