魔王様
魔王様が黒
圧力が凄い。正面から行って勝てる気がしないのは俺がヒバニンだからだろうか? いや、バニーだったとしても圧倒されていただろう。
そんな威圧を受けつつ、ナミミ様が一歩前に出た。
「わかりました
「……いやいやいや、妾、夫に操立てとるでの。そういうのは受付けとらんし、そもそも押し倒せとは言っとらんよ? 力で押し通れと言っとるんじゃよ?」
ナミミ様は魔王様に「頭大丈夫かえ?」と心配された。
まったくもって正論すぎて反論できねぇや。
「どうするナミ? ママの言ってることがド正論だよ」
「仕方ありません、今はイロニムの部屋に遊びに行くということで引き返しましょう」
「うむ、それがよかろう。あとでミカンをもってくのじゃ、食べるが良いぞ」
にこりと笑って黒靄を散らす魔王様。
……というかミカンて。友達の家に遊びに行った時の友達のオカンかな? 事実そうだし間違いないね。
「……ねぇロニム。転送魔法陣とやらが使えないで送ってもらえないとなると、私とツーシはさっさと走って帰らないとって話になるんだけど?」
「えー、折角来たのに?」
「そうじゃそうじゃ。もっとゆっくりして行くのじゃ!」
「ぴぃ……っ……そ、そうはいっても、なら魔王様が私たちを送ってくれるっていうならいいけど?」
魔王様への恐怖を押さえつけ、サナチ様が言う。
「仕方ないのぉ、じゃあそれで。その代わり今夜は一緒に寝るのじゃ! 妾が寝付くまでよしよししてやるでな? な?」
「…………え、っと、よしよしはともかく、送ってくれるの?」
「機密の多いエリアに入るなというだけの話じゃしな。妾も転移魔法くらい使えるしの」
え、そういう話だったの? それはなんというか……なんか、話の通じすぎる魔王様だなぁ。バニムーンの宰相バニーよりよっぽど俺達に優しいよ。
「まぁ送るのはサナチとそっちの赤バニーだけじゃが」
おっと。さりげなくツーシさんも赤バニーとバレていた。
「……
「ムーンフォール血族じゃからのぉ、悪いが、帰してやれんよ? イロニムと平和に暮らしたいのであればこのままでいることじゃ」
むむむ、やはり微妙に思い通りにはならないようだ。
「あ。……ねぇナミ? いっそもうここでママに計画を話しちゃった方がよくない?」
「言われてみれば、どうせ話を付けなきゃいけない相手でしたね。確かに丁度いい機会です」
「ん? 何の話じゃ?」
首をかしげる魔王様に、ナミミ様が改めて向き合う。
「
「んんーーー!? ちょっと予想外の話じゃったのぉ!?」
そして飛び出してきた結婚の挨拶。これは魔王相手に不意打ちを食らわせることに成功した、といっても過言ではない。さすがナミミ様だぜ?
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