からの。
さて、黒尻尾2人を捕縛したのは良いものの、これからどうするかである。
「ところでコガネ、ナミ。一つ問題があるんだけどぉー……」
「ん? どうしたイロニム」
「……MPだいぶ使っちゃって、3人をバニムーンに無事送って帰ってくるだけのMPが残ってないんだよね」
イロニムの転移魔法。俺達の行動の重要ポイントである。
それがあるから満月の日までニンジン屋を続けていたし、サナチ様やツーシさんも大人しく部屋でゴロゴロ過ごしてたわけで。
「むむ。ロニーの転移魔法が使えないとなると、計画がだいぶ狂っちゃいましたね」
「計画ぅ? 何の話よ」
背中の上で話してたのもあり、普通に話に割って入ってくるアラクナさん。
尚、俺はいまだに縛り付けられており、ナミミ様も俺の手の中だ。ナミミ様を縛っていたロープは魔法で切ったが、ナミミ様にひっついているアラクナさんの糸が残っている。
「聞こえてましたか」
「背中で話されたら聞きたくなくても聞こえるわよ。で、計画って?」
話していいかどうか少し考えるナミミ様。
「聞いたら協力してもらうことになりますね」
「あら、報酬次第では手伝うくらいはしてあげましてよ?」
「……私を助けるのにキントキ1年分、でしたか。キントキ10年分だったらどのくらい手伝ってくれますか?」
「ンンッ! うーん、ま、魔王様に逆らわない程度なら……?」
「わかりました。では話しますね」
「ちょ、ちょっと待って!? 本当に、魔王様にだけは逆らいませんからね!? わたくし坊やの事は気に入りましたが、魔王様には絶対勝てませんもの!」
アラクナさんはぶんぶんと手を振り回して慌てる。
「いざという時に静観する、というのならまぁ……9年分」
「減った!? 減りましたわよ!?」
「やることが減るのであれば、報酬が減るのは当然では? あれ、今はそういう交渉フェーズですよね?」
「うぐ……」
報酬と仕事内容を刻んで、お互いに妥協できる条件を探ろうという交渉だ。
ナミミ様、いきなり1年減らしてきた。容赦ないぜこれは。
「魔王様の命令があったら戦わないわけにはいかないわよ!?」
「手加減してくれるなら……7年分」
「い、一回目は絶対見逃すから8年分……!」
「わかりました。交渉成立ですね」
「……ふぅ、やりましたわ! キントキ8年分を勝ち取りましたわ!」
ぐっとこぶしを握るアラクナさん。
……勝ち取ったというか、勝ち取らせたというか。……WinWinならバニー以外も勝てるのだろうな。バニーのついでで。ああ、あるいはナミミ様だからなのかも。
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