救出隊出動
「それで、サナチ様の追跡魔法を使えばナミがどこにいるか分かるんですね?」
「ええ。ナミ、の持ち物が必要だけど」
と、あらかじめ「四天王のアラクナさんです。ナミの救出を手伝ってもらうことになりました」と紹介したので、ナミミとは言わずナミで呼び名を通すサナチ様。
「じゃあ俺に追跡魔法をかければナミの場所が分かると」
「……やらないわよ? そんな無駄な実験してる余裕ないんだから」
くっ、俺はナミミ様のペットだから持ち物判定でもおかしくないと思うんだが!
まぁ流石に難しいか。わざわざ試さずともナミミ様の洗濯物でいけるらしいのでそれでいい。
「ところで、コガネはどうやってまた四天王を懐柔したのよ」
「ナミキントキ一年分を約束しましたんで。ナミがいないとキントキは出せないので、奪還を手伝ってもらえることになりました」
「……なるほど、キントキ目当てで誘拐に手を貸したんだったわね」
キントキ目当ての犯人なら、キントキを餌にすれば操れる。簡単な話だね。
「まぁ、今はその、キントキ以外にもこのヒバオスが気になっていますわ……?」
「あ、ぴょんぴょんは俺の彼女、ナミに許可をとってください、多分条件付きで許可出ますけど」
「え。なにそれ」
「アラクネ糸での緊縛プレイとか多分興味ある子なんで……」
絶対許可が出ると確信してるよ俺は。
「ともかく、急いでナミを追っかけるわよ! ついてきて!」
「あ。俺の事誰か運んでくれる?」
「わたくしが運びますわ。糸で固定すれば落ちることもありませんし。あなたたち、この子を背中にのせてあげなさい」
「「了解っす姐さん!」」
と、アラクナさんがアラクネバニーの姿に戻る。
それを見て「ぴぇ……」とサナチ様は震えたが、踏ん張って止まる。
俺はオーガバニーの二人に持ち上げられ、アラクナさんの蜘蛛ボディの背中部分に乗った。
「背中失礼しまーす。お、すべすべで触り心地いいっすね。そして温かい」
「ひゃんっ!……そ、そぉ? じゃあ糸で固定するわね」
しゅるん、と糸が巻きついて俺の下半身を縛り上げ、アラクナさんの背中に固定する。
ぺたりとくっ付けるタイプの糸ではないらしい……あ、それは後で外すのが大変だから? なるほど。
「じゃ、じゃあ先導して走るわね。付いてきて……ぴゃい!?」
「遅そうだし、アナタも運んであげるわ。案内だけしなさい」
サナチ様が糸で縛り上げられ吊るされた。おう、俺と違って簀巻き状態で抱えられてる。雑だなぁ。
と、俺の横にオーガバニーの2人がアラクナに掴まる形で乗る。
「そっちの赤バニーはどうします? 運んで差し上げてもよろしくってよ?」
「私は脚に自身あるので走りますよ」
「とにかくっ、ここから8時方向っ! 21km以上先よ!」
「ふふ、では行きますわよ……はぁああああッ!!」
アラクナさんがギュンッ! と動く。思わずのけぞりそうになるが、オーガバニーの2人が支えてくれた。ありがとうございまーす。
「……ぐ、やっぱり運んでもらった方が良かったかもしれませんね……っ!?」
「あら、わたくしに付いてこれるのねぇ? ふふっ、あなた、その脚を誇っていいわよ」
ツーシさんとアラクナさんは競うように走る。とてつもない速度だ。車並みである。
いやー、これアラクナさんの上半身なかったら風もろに受けて大変なことになってたところだ……
……脇に抱えられてるサナチ様は大変なことになってそうだな、と後ろから見て思ったけど、こちらからは見えないのでそっとしておくことにした。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
(ここまで読んでいただいてありがとうございます!
★★★、フォロー、レビュー、❤で応援、感想等も頂けたら嬉しいです!
X(旧Twitter)ボタン等で広めてくださると喜びます! ボタン↓↓)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます