俺達はどうするべきだろうか



 とりあえず帰宅。同じく拠点に帰っていたイロニムと現状を確認する。


「えっ。ママに色々バレてた!?」

「……はい。明らかに私たちの事を知っている風でした。あとサナチが気に入られてセクハラされていました」

「ああ、それでサナチたんめそめそしてコガネに抱き着いてるんだ」


  どうやらイロニムは魔王様にバレてると知らなかったらしい……でもここから情報漏れてるのが一番可能性高いんだよな。

 多分頭ぴょんぴょんしてただろうし。


「うう。コガネぇ……私汚されちゃった……だから上書きコシコシを」

「あ。それは私がしますよサナチ。今日はコガネさんお休みですからね」

「……明日は私がコガネとだからね!?」


 わぁ、ぴょんぴょんの予定が勝手に組まれていく……!

 それにしても、魔王様は一体サナチ様の何が気に入ったというのだろうか。


 あの目つきはコシコシをするときのナミミ様によく似ていた。

 つまり性的な意味で魅力を感じていたように思える。

 ……お腹だろうか。

 ぽっこりお腹フェチなのかな魔王様。


「体つきがママに似てるよね、サナチたんって」

「……共感ってことかしら? うう、私だってナミミみたいなナイスバニーになりたかったわよ!」

「それなんだけど、サナチたん、ママの生まれた頃だと絶世の美少女って基準なんじゃないかな」


 イロニムの言葉に、眼鏡の向こうで目をぱちくりさせるサナチ様。


「え? 私が、絶世の……?」

「うん。ママが前に言ってた。『妾が子供の頃は、この妾こそが美のスタンダァドだったのじゃよ』って。サナチたん、ママによく似てるじゃん?」


 なるほど、美の基準が時代とともに移り変わる。地球の歴史でも良くある話だ。

 魔王様はとても長生きなダークエルフだし、『以前の基準』でサナチたんを気に入ったという可能性もあるな。


「このぽっこりした子供お腹が……美の基準だった時代……!?」

「その時代に生まれていたら、サナチたんも私も美少女だったかもね!」

「私やセワンが基準だった時代もあったのでしょうか……?」


 褐色ロリバニーが美少女の頂点だった時代かぁ……それはそれでアリだな。



「おっと皆さん、話を戻しましょう。ともかく、我々の計画は魔王にバレていた。それはすなわち、満月の夜にはほぼ確実に魔王からの妨害があるということでしょう」

「……ツーシ、黒尻尾の件もあるわ。一人は魔王にやられたみたいだけど、もう一人、バニラってバニーは見逃されてる。しかもそいつ私達のぴょんぴょんを覗いてたのよ」


 色々と問題が露わになってきた。

 しかもナミミ様が黒尻尾に連れ去られていた場合、更生施設に送られてしまう。故に、黒尻尾と協調して魔王様にあたることは難しいだろう。


「ナミが更生施設に行くのは別によくない? 多少はぴょんぴょんしたい欲を抑えられるってことじゃないの?」

「そこにいったらロニーは敵だから殺せって洗脳されちゃうんですよ」

「ダメだね! 断固拒否だね!」


 ということになった。

 ……次の満月まであと1週間ちょっとしかない。さてさて、俺達はどうするべきだろうか。


「ところでコガネさん、明後日は私とぴょんぴょんですよね?」

「ナミミ様? 順番から言えば私では?」

「あれ? ナミ、私の番はー?」

「じゃあ明後日は私とロニーとコガネさんで。ツーシはその次です」


 ……少なくとも放蕩している場合じゃあないと思うんだけどなぁ。




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