ちょっとナミミ様の昔話な雑談回



「もちろん全員でぴょんぴょんもしましょうね! 楽しみです!」

「え。全員? え、同時に??」

「? 折角いるのならそういうのも検証したいですし。頑張りますねっ」


 さも当然だと言わんばかりのナミミ様。


「ふぇ、ナミ以外にされるの怖いんだけど……あ、でもお友達一杯、みたいでいいかも」

「……まぁ、一度くらいはいい経験ですよね」

「さ、さすがに初回から全員では嫌よ!? はじめてくらいは二人きりでさせてよ!?」


 そしてそれぞれ割りと乗り気そうな顔である。

 うーん、バニーだなぁ。(遠い目)


 ちなみにナミミ様は現在バニーでないので、3人のバニーガールと一晩ってことか。

 つまり3バニートゥナイト……いやごめん、なんでもない。


 ……結局全員がナミミ様のハーレム要員になるんじゃないかな? 今のうちに後宮の準備しておいた方が良くない? バニーじゃないのにこれだと、バニーに戻ったらどんなことになるのか今から恐ろしい。


 戻って領主になった後、初夜権とか言い出してムーンフォール民は全員一度はナミミ様の餌食に、とか、ない……よね?

 もしそうなったらツーシさん止めてくださいね!?



「そういえば、ツーシとサナチがここにいるのに、セワンは来なかったんですね」

「セワンも来たがってましたけどね。顔が割れてるだろうとハサミ様に止められてましたよ」

「……ああ。そういえば私もバニーに顔バレしちゃいましたしね。とっさの機転で切り抜けることができましたが」

「おや、そんなことが? 詳しくお伺いしても?」

「はい。実は――」


 と、あの赤バニーの一件をつらつらと話すナミミ様。 

 あの屈辱的な――……んん? あれ? 俺の知ってる状況となんか違うぞ?


 え、『ここだけの話とても興奮した』?

 すみません何の話ですかね。


 え、『おかげでコガネさんと今の関係になれたから感謝してる』?

 えぇ……そう言われたら何も言えねぇ……!


「あー。ナミミ様一時期コシコシのしすぎで訓練に寝坊しまくって『私はコシコシ兎です』の看板下げされられてましたもんね。懐かしいです」

「……そんな事ありましたっけ?」

「5歳のころでしたし、一度ハサミ様に厳しく叱られてからは自重してたので忘れちゃいましたか。私は当時10歳でしたからよく覚えてますよ。辺境軍に幼女趣味が多いのは間違いなくナミミ様の影響があります」


 ナミミ様がアレなのって実はムーンフォールだと共通認識だったの?

 あと5歳のころからコシコシを……? 英才教育すぎるぞムーンフォール。


「強いバニーになるには幼いうちから魔力操作の訓練をするのが基本で、そのためにコシコシ自体は推奨されてるんですよ。覚えたら勝手にやりますし。歯止めがきかないと叱られるので、自制も覚えられます。一石二鳥ですね」


 と、ツーシさんが解説してくれた。

 ちゃんとした意味での英才教育でもあるのね……


「ナミミにそんな過去があったの!? あと興奮したってなんなのよ、私の知ってるナミミと違うんだけど!?」

「サナチと知り合ったのは学校行ってからですからね。あ、そういえばロニーの方が先に会ってますよ」

「え? あ。そういえば何年か前に戦場になんかちっちゃくて可愛い子いるなぁって思ってたけど、言われてみればあの子ナミだったんだ……大きくなったねぇ!」

「ロニーは変わってないですよね。ダークエルフだから」


 おおっと、今度はイロニムに話が飛んだぞ。

 ちっちゃな頃のナミミ様とイロニムかぁ……ん? でも戦場でって……え、前線で!?


「小柄なことを生かして、土の中から飛び出して足切り落とされたのはビックリしたよね。転移魔法がなかったら帰れなかったとこだよ。治るまで3ヶ月かかったし」

「ああ、足を落としたのに逃げられたのはそういう事でしたか。当時の足は初の大戦果として剥製にし、宝箱にしまってあります。ムーンフォールに行ったら見せてあげますね? 今の足と見比べてみましょうか」

「えっ、私の足がナミの宝物になってたの!? えへへ、照れるぅ」


 ううーん、価値観! 価値観ーーッ! 修羅の国すぎるッ!

 猟奇的! 刺激的! 膝の皿で乾杯ッ!?

 イロニムも「照れるぅ」じゃなくて、なんかその、なんかないの!?


「うぇぇ……バニーの足を剥製にして宝物って……頭おかしいんじゃないの」

「え? サナチ、ウサギの足は幸運の御守りって言いませんか?」

「それはウサギの話であって、バニーガールの足じゃないわよっ!?」


 あ、サナチ様のがまともな価値観してるっぽい。

 ……おかしいな。ヒバニンの扱いではサナチ様故郷のルナライズ領がヤバイって話だったのに。


「でも、初めて強敵を倒した戦果ですよ? 記念に剥製くらい普通では?」

「そうだよ。私だってオーガキングの剥製とか作ってもらったよ? アレ多分ママの宝物庫に置かれてるんじゃないかなぁ」

「ですね。むしろサナチ様はしなかったんですか? 初めての獲物を剥製にとかって定番ですし」

「……ねぇコガネ。これ私がおかしいの?」


 サナチ様から助けを求める目で見られるけど、すみません、俺この世界の人間じゃないんで。



―――――――――――――――――――――――――――――――――

(初めての獲物や大物をハンティング・トロフィーにするのは、地球でもわりとある慣習ですね。……戦国時代とかには頭蓋骨で盃を作った有名な武将とかいましたし)


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