爛れた生活(1)
それからの俺達は、一言で言って、『爛れた生活』。
まさにその言葉がしっくりくる日々だった。
吹っ切れたナミミ様の好奇心や探求心は
毎日少しの時間だけ俺が店を開き、ナミミ様はその間に家事を片付け、お腹が空いたらニンジンを齧ったりする。(ニンジンブタの串焼き肉も出せるのでお肉もいける)
そして毎晩、検証活動である。イロニムがいれば3人で。
……尚、ナミミ様はその愛らしく可愛い見た目に反してえぐいのがお好みである。
これが、バニーか……と思ったのだが、イロニムの様子を見るに、どうにもバニーガールだからという話ではなく『ナミミ様だから』という検証結果が出ている。そもそもナミミ様、今はバニーではなかった。
なのにそんなナミミ様の相手を、俺とイロニムの2人がかりでどうにかしている感じだった。
「はぁー……思いついたことをなんでも検証し放題。好きな人たちと好きなことを好きなだけできる、これがスローライフというやつなんですね。幸せです……あ、ロニー。今夜は何をしましょうか? 明るいうちにポーションも準備しましょう。私も手伝いますね、ちゅっ」
イロニムに抱き着いて頬にキスするナミミ様。そのまま流れるようにイロニムの指をしゃぶりながら普通に話す。まるでそこに飴があったから口に含んでみた、くらいの気軽な行動。
最近はこの2人、もう距離が0どころかマイナスなのである。俺もだけど。
「……あ、あのさ、ナミ? あと半月で満月だけど」
「ああ! 満月バニーのぴょんぴょんも検証しないとですね! その時は私の分もよろしくお願いします」
「あ、うん。じゃなくて、いや。その。……帰るん、だよね? 大丈夫?」
「? なにいってるんですロニー。私達の家はここですよ? どこに帰るんです?」
やっぱナミミ様ぶっ壊れちゃってるよねぇ!?
「……あっ! や、そ、そうでしたねっ!? 次の満月でムーンフォールに帰してもらう約束でしたっけ! はぁ……帰りたくない……ずっとここで検証していたい……」
「ええと、私はナミもコガネも好きだからいくら居てもらってもいいんだけど……」
「あ、じゃあ永住します。コガネさんも一緒でいいですよね?」
「判断が早いよナミ!?」
即答しおったよこのナミミ様。
「まぁちゃんと理由もあります」
「ホントぉ??」
「ホントですよ。ロニーは私の事なんだと思ってるんですか」
「最近はぴょんぴょんの化身、かなぁ」
現実逃避に励むように、何も考えたくないと言わんばかりに、検証ばっかりだもんな……
「もう、ロニーったら……そんなことをいう口はこの口ですか?」
「あっ、ら、らめぇ……っ」
イロニムのわがままボディが清楚風美少女のナミミ様に翻弄されるのは眼福すぎる光景ではあるんだけど。
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