え? なんて?





 完売御礼で店を閉め、イロニムの叫び声を聞いて居間に戻ってくると、ナミミ様がイロニムの手を撫でながら寛いでいた。


「というわけで、ロニーもぴょんぴょん仲間にします!」

「……え? なんて?」

「もちろんコガネさんが嫌でなければ、ですけど。私はロニーともしたいです」

「……あ、あの、ナミミ様?」

「ナーミーでーすぅーー!!」


 ほっぺをつねられる。


 な、ナミミ様が壊れた……!

 俺は、選択肢を間違えてしまったのか!?

 ぴょんぴょんしない方が正解だったのか!?


「お、おいイロニム。どういうことだってばよ!?」

「そんなの私が聞きたいんだけど! コガネこそナミに何したのさ!?」

「何って……ぴょんぴょん?」

「こいつらぴょんぴょんしたんだ! いや魔力と匂いで分かってたけど!」


 そりゃ確かに朝まで寝かせてもらえなかったけど。

 そのまま店あけてサッと売り切って戻ってきて今ここなんだけど。


「というかイロニム、お前はいいのかよ」

「え。私は前からコガネとぴょんぴょんしたいって言ってるじゃん? それがナミ公認なら好都合だし、乗らない理由がないよ?」

「そういやそうだった……!」


 や、でも、俺はナミミ様を大事にしたいというか。実は正式に恋人になったし……イロニムから見たらそもそも偽装だったって知らないから変わらないけど。

 昨晩もできるだけ大事に大事にしたつもりだったんだが……途中から完全にナミミ様に主導権持ってかれたけど……あれもしたいこれもしたいって色々したりさせられたりだったけど……


「ちょっ、あの、ナミミ様? 理解が追いつかないんですけど……」

「あっ。すみません。私ったら、自分ばかり分かって説明を省いてしまう悪癖が」


 うん、説明をしっかりしてくださいね。ワケわからないので。

 俺とイロニムは揃ってナミミ様の説明を聞く。


「ロニーの中には私のバニー力が入っていますよね?」

「だからごめんってばー」

「いえいえ。つまりロニーは私のバニー部分、片割れといっていいでしょう」

「え? 言われてみれば……そうなる、のかなぁ?」


 首をかしげるイロニムと俺。


「私はバニー部分もコガネさんに知って欲しいですし。検証も色々できるし。ロニーだってコガネさんとぴょんぴょんしたがってたし。私も色々検証するのにロニーがいると丁度いいし。だから一緒に検証しましょう。どうです、完璧でしょう!」


 うーん。筋が通っているようなそうでもないような……

 って、検証って3回も言ったぞ?


「あの、検証、とは?」

「え? 自分達の身体のことなんですから、知りたいと思うのは当然ですよね?」


 あ。これナミミ様だわ。

 ……そうか。ぴょんぴょん方面で『未知』を見つけてしまった、と。

 『未知』を見つけたら、検証するのがナミミ様だった。


「しかもロニーはポーションも作れますし、体調面でも万全になります」

「ナミ、薬漬けは健全とは言い難いよ?」

「コガネさんのスキルでマンドラゴラとか使い放題ですよ?」

「……試したいレシピとかもあるんだよねぇ! ……使いすぎないよう管理するからそこは言うこと聞いてね」

「当然です。……ね? ロニーも混ぜると良いことばかりでしょう?」


 正直、現実逃避としか思えないけど……うん、今は時間が必要だ。

 これでナミミ様の心が癒されるなら、断ることはできない。


「わかった。ナミの言う通りにしよう」

「! コガネさんなら分かってくれると思ってました! では今日の午後はしっかり休んで、晩御飯を食べたら夜は3人でぴょんぴょんしましょう。ロニーもご安心を。女同士でのやり方も知識としては知っているので……実践は初めてですが」

「え、あ、あの。私ぴょんぴょん自体が初めてなんだけど」

「私も昨日が初めてでした! 記憶が褪せないうちに比較検証できちゃいますね! ふふふ、ロニーの身体もしっかり検証しますよ。味も見ておきましょうね。コガネさんもご協力お願いします」

「お、お手柔らかにね!?」


 お、俺はまた選択肢を間違えてしまったかもしれない……




―――――――――――――――――――――――――――――――――

(※この世界のバニーさんは基本どっちもいけます。

  なぜならバニーガールしか勝たんからです。

  性別なんてものに拘るのはヒバニン特有の感覚ですね)


(ここまで読んでいただいてありがとうございます!

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