美少女バニーガールのペットって最高じゃね?
人権が……無い!
――かくして俺はナミミ
魔術的な契約については宰相バニーが処理してくれるらしい。
俺の意志に関係なく奴隷契約できるようで、本当に人権無いんだなとちょっと実感する。
「冷酷ドSバニーがよぉ……」
「本当にすみません、我が国の宰相が……」
おっと、ご主人様に聞かれていたようだ。
「ではナミミ。以後、彼のことは任せる」
「はい、陛下」
堂々とした金バニー女王から頼まれ、頭を下げるナミミ様。
あれ? よく見るとこの二人結構似てるな。身体のサイズは色々違うけど、女王がナミミ様を見る目はなんとなく優しく感じる。
「あー、その。ナミミ、様? でいいんですかね?」
「おいヒバニン! 奴隷が勝手に口を開くな! 王の御前でもあるんだぞ!」
「宰相、別に構わん。ナミミ、彼と話して良い。……いや、退室を許す」
「はっ」
そしてナミミ様は退室する。俺はそんなナミミ様に首輪についたリードを預けている状態なので、当然それについていくことになるわけだが……よし、立てるな。無事、ナミミ様について部屋を出ることができた。
リードを引っ張られナミミ様の後ろを歩く。
ナミミ様は俺より頭一つ分は低く、リードを引っ張られているのはなんか妙な気分になってくる……俺には割とM気があったようだ。知りとうなかった……
とりあえず、命を拾ってもらったのでお礼を言っておこう。
「……あー、その。助かりました?」
「いえ。私はバニーガールとして当然の事をしたまでです」
なんだよバニーガールとして当然の事って。
「そもそも、勝手に召喚など誘拐のようなものではないですか。なのに、更に勝手に処刑とは……我が国の宰相が申し訳ありません」
「あ、いえ。ナミミ様のせいではないですから」
歩きながら話をする俺とナミミ様。
すれ違うメイドバニーさんがさりげなくナミミ様に道を開けて頭を下げている。ナミミ様も手を軽く上げて返事としていた。その所作はお互いとても自然で、これが当然のことであると見て取れる。
「ナミミ様って偉いんですか? あ、その、立場的に」
「ええ。私は次期辺境伯ですからそれなりに。今回は戦況報告のために母に代わって登城していました。帰る直前だったのです」
そういえば魔王との最前線だと言ってたな……
「それに、一応ですが陛下とも血がつながっています。父親が陛下の兄ですね」
「……それってつまり王族ってことなのでは?」
「いえ? 王族ではないですが……ああ。ええと、白バニーを纏うには母親が王族でなければなりません。男性は、その、バニーガール
こちらが異世界から来て常識が分からないと察して補足してくれるナミミ様。
王族においてすら、バニーガールになれないため『男』は価値が無いらしい。
ついでに色についても教えてもらった。
白いバニーが王族の色。女王はさらに特別で金。
宰相を初めとする城で働く者は大体が黒バニー。あと召喚の間にいた緑バニーは研究所の魔法使いだそうな。
「ナミミ様の赤バニーにも何か意味が?」
「赤は王の剣、戦士の色ですね。母は返り血が目立たないように赤なんじゃないかと言ってました。あ、私の得意武器はハルバードですよ」
好きなスイーツを挙げるみたいに可愛く笑って得物について語るナミミ様。
やべぇ、意外と修羅の国っぽいぞムーンフォール。そんな場所に連れていかれて大丈夫なのか俺は……?
「ちなみにこのツヤのあるエナメル地、そして網タイツを纏うバニーは貴族です。対応に気を付けてくださいね、私も守れるだけ守りますが……!」
なにその貴族の目印。いや、間違えなくていいんだけどさ。
あ。平民はエナメルじゃないレオタードだったり服だったりタイツだったり素足だったりするんだ。……タイツやストッキングがあるんだ。文明どうなってんの?
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