2■WWEと「参加問題」の経緯について


 みなさんは、WWE(woman'sWeekEndウーマンズ・ウィーク・エンド)というイベントをご存知でしょうか。公式サイトによると、「1993年に発足後、21回にわたって開催されてきた『女性による女性のための非営利イベント』です。さまざまな年齢、人種、国籍、セクシュアリティをもつ女性がお互いを尊重し、交流を深めることを目的としています」とのことです。3日間にわたってさまざまなワークショップが行われる、宿泊対応型イベントであることを補足しておきます。今年(2009年)は10月10日(土)~12日(月・祝)にかけて、第22回が行われました。ここからは、このイベントを「ウィークエンド」と呼びます。


 ウィークエンドは、1985年にはじまったLWE(LesbianWeekEnd、あるいはDykeWeekEnd:DWEとも呼ばれる)が母体となっていて、レズビアンだけでなくバイセクシュアル女性も参加できるように間口を広げて発足したそうです。第2回はすでに2人のMtFが参加しており、その後も「女性という経験を共有したい」という参加要件が定番化していったとのことです。一時はFtMの参加がNGとされた回もありましたが、その後OKとなり、第20回まではゆるやかな要件のままでした。


 ところが、昨年(2008年)行われた第21回のウィークエンドでは、「女性として生まれ、現在女性としての戸籍と性自認をお持ちの方、または性適合手術(SRS)を終えたMtFの方」という参加要件となりました。この要件によって多くのMtFが参加できなくなったことを憂えた有志のかたがたが、今後の参加要件の見直しを求める要望書を、次回ウィークエンドのオーガナイザー宛に提出しました。今年の第22回ウィークエンドでは、その要望書をもとに「参加問題とWWEの今後を考える」と題されたWSが有志によって企画されました。わたしもこのWSに参加しました。

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