とある昼方
コンコンコンコン
ノックがうるさく鳴り響く昼方
お日様キラキラ紫外線ザクザクの昼方
お腹いっぱい腸がギュルギュルの昼方
ズラム「お姉ちゃん~
まだ―!?漏れちゃうよー」
切羽詰まった少年の嘆きが空気に溶ける
ライコ「おい、少年よ。
女の子が女の子しているトイレのドアの前に立つんじゃない」
ゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴン!!!
ライコ「何何何何何何何なに!
ちょっと!出るもんも出ないわよズラム!」
ズラム「セルフ音姫だよ!
早く!お姉ちゃん!僕の尊厳が…」
ゴンゴンと扉が音を立てる。
ライコは焦りを抑えながら女の子が女の子する事に集中する。
そしてやっとそれは成就された。
そしてタイミング良く少年の音姫が有効期限切れとなった。
ライコ「ずぅわわあああああああああああぁぁぁ!!」
緊急用のライコの音姫が鳴り響く。
しかし、ライコの音姫の有効期限もライコの女の子の女の子が終わる前に切れてしまった。
結果として、ライコの女の子の女の子が炸裂した。
…
少しの静寂と衣擦れの音が緊張感を産む。
ズラム「お姉ちゃん!終わった?
早く出てきて!お願い!僕の尊厳が壊れる!」
…
静寂、静寂、静寂
その静寂が少年を一つの真実へと導いたのだった。
ズラム「お姉ちゃん、まさか…嘘だよね?
いいの?大変な事になっちゃうよ?」
少年が力なく膝を付く。
既に限界を超えた少年は、力を抜く決心をする。
ズラム「石川や
”じょわぁ~~~~”
少年の辞世の句と共に、少年の尊厳も流れて行った。
かくして”戦争”が始まるのである。
ライコ「早くドアからどきなさいよ
暑いんだけど」
少年は答えない。
手洗い用の水を確認してライコは籠城戦を覚悟し、体勢を整える。
そして、城外から少年の悲痛な怒りの矢が降って来た。
ズラム「そもそもお姉ちゃんは機械なのに何を排出するっていうんだっ!」
ライコ「機械じゃないから排出するのよ」
ズラム「僕は機械だけど?排出するけど!?したけど!?」
ライコ「ダブスタ理論やめろ
私は人間だ、だから排出もする、そういう事だ少年」
ズラム「排出って具体的に何?定義は?」
ライコ「私は人間だ、だから抽象的に生きるし定義など知らん」
ズラム「僕は機械だ、だけど抽象的に生きるし定義も知らないよ」
ライコ「だから、私が機械であると…また三段論法か?ドヤピースだっけ?久しく見ていないな(笑)」
ズラムの顔がひっくり返ったように紅潮する
ズラム「うるさい!うるさい!うるさい!
そんな事した事無い!」
ライコ「前はあんなに『ライコお姉ちゃん!』ってお姉ちゃん好き好き大好きショタだったのになぁ…大きくなって、まぁ…」
ズラム「うるさい!うるさい!うるさい!
そんな事した事無い!!」
ライコ「はいはい、ライコお姉ちゃんがズラムちゃんの粗相を綺麗にしてあげますから。まず、そこをどきなさい?」
ガン!(ビチャ)ガン!(ビチャ)
ライコが扉を開けようとするとズラムとズラムの尊厳が波立つ音がした。
ライコ「ちょっと…ガチなの?」
ズラム「ライコさんが機械と認めるまで動きません」
ライコ「さんて…、機械って認めたら機械になるの?」
ズラム「なるとかならないとかじゃなくてライコさんは機械なので機械と認めてください」
ライコ「ふーん。じゃあさ、実験しようよ
このまま私をトイレに閉じ込めてさ、1カ月位かな、で、死んでたら人間だし、生きてたら機械…みたいな?」
ガチャン!!(バシャン)
突如、扉が勢いよく開かれ同時にズラムの尊厳も勢いよく飛び散った。
ズラム「死ぬとか言わないで―!ライコお姉ちゃ~ん!!」
ズラムがライコに強く生を実感するように抱き着いた。
ライコ「ひゃっ!ちょっ!汚い汚い!離れろ!離れなさい!!」
ズラム「生きてる!生きてるよ!機械なのに~」
ライコ「機械に生きてるも死んでるもないだろ!」
ズラム「僕は機械で生きてるよ~
中略三段論法ドヤピースもするよ~」
ライコ「ドヤピースはせんでいいから
はよ風呂に入れ、その間にお姉ちゃんが綺麗にしておくから」
ズラムは少し落ち着いたのかライコから離れて自身の汚れ具合を確認した。
ズラム「お風呂入ってる間に死なない?」
ライコ「死なない死なない
何故なら私は人間だからな」
ズラム「やったぁ!」
ドタドタとズラムが風呂場へとかけて行く。
床に広がる惨状を見て、ライコの口角が少し上がる。
ライコ「やれやれ。まったく~」
この後二人仲良く洗いっこした。
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