閑話 猫ちゃんず会議
ある日の月の明るい夜のお話。
ゆめちゃんのお家の桜の木に数匹の猫が集まってなにやらお話中。いわゆる、猫会議という雑談会。
チョコレート色の猫が話す。
「僕たち、ホンダマ(本の登場人物の魂)の案内してるじゃん?最近多くなったと思わない?」
「ホンダマの数が増えたのかしら?」白い猫が言う。
「いんや、他のエリアで待ち合わせ場所(桜の木)が減ってるらしいよ。だからこっちのエリアに来ちゃうんだって。」黒猫がそう答えた。
「桜なんか他にも有りそうだけど?」茶色のシャム猫が不思議そうに聞いた。
「待ち合わせ場所はただの桜じゃだめなのよ。虹の妖精の加護をもらった特別な桜だけが待ち合わせ場所になれるんだって。それに、この桜、虹色に光ってみえるじゃない?」三毛猫がそう言った。
「確かに光ってるけど。この桜ってさーしゅんちゃんとゆめちゃんが植えたんだよねー?あの二人に関係あるのかな?」グレーの猫が考える。
「そういえばー「植える時になんか声が聞こえた」とか「桜が喋った」とかしゅんちゃんが言ってたな。でも、それって桜じゃなくて虹の妖精の声だったんじゃないかな?」茶トラが言う。
「僕もそうだと思う。僕たちは普通に聞こえるけど妖精の声が聞こえる人間って珍しいよね。本人は自覚無いみたいだけど。」チョコレート色の猫。
「しゅんちゃんは「特別な人間」ってことかー。でも、相当なビビりみたいだからその事を本人は知らない方がいいと思うな。いくら害のない妖精でもね。」黒猫が言った。
そうだねー猫達はそう思った。
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黒猫が「ホンダマ(本の登場人物の魂)案内してくるとさーゆめちゃんはいつも煮干しくれるじゃん?それって、猫には煮干しってもう決めてるのかなぁ?」
「ゆめちゃんは単純だからねぇ。」と白猫が答える。
「僕としては、たまにはササミとか欲しいな。」とグレーの猫。
「猫缶のやつとか?あの細長のジュールとかゆうのもいいかも?」と三毛猫。
「ははっ。そしたら僕、案内関係なく毎日来ちゃうな?」茶トラが言う。
「僕たち、ご主人様がそれぞれいるんだからそれはそっちで貰えばいいじゃん?お腹いっぱいにして帰ったらさーご主人様に悪いしさー。」チョコレート色。
「それにゆめちゃんはご主人様じゃないからあんまり期待してもねぇ。まー煮干し出す時は水は欲しいかも?あれ微妙に喉乾くし。」シャム猫。
「そうそうそれ!ホンダマ(本の登場人物の魂)にはお茶出すんだからさー僕らに水ぐらいは出してもいいんじゃね?」黒猫。
「でもねぇーゆめちゃんだからそんなの気が付かないんじゃないかしら?」白猫。
「そうだね。ゆめちゃんだもんねぇ。」と皆が頷く。
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「昨日、ここの庭草むしりしたのね。」と白猫。
「そうそう、遠くから見てたらゆめちゃんとしゅんちゃん二人でやっていたねぇ。楽しそうだったよ。」黒猫。
「仲良しねぇ。」三毛猫。
「ても、草があちこち残ってるよ。」グレー。
「多分、わざとだよ。残ってるところは猫じゃらしあるし。」チョコレート色。
「ゆめちゃん僕たちが来た時に遊ぶだろうっていつも残すんだよ。」シャム猫。
「もう私達、子猫じゃないのにね。」三毛猫。
「ゆめちゃんにとって僕たちはまだ子猫?それとも猫だから猫じゃらしって?こと?」茶トラ。
「単純よねぇ。」白猫。
「ゆめちゃんだし。」黒猫。
「でもさーたまには遊ぶフリはしてあげようよ。ゆめちゃん喜ぶし。」チョコレート色。
「うん、うん。」皆が頷く。
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ゆめちゃんは夢を見ていた。
猫ちゃんずが集まって何か話をしている。
ゆめちゃんには「にゃーん。」とか「にゃーご」としか聞こえない。
なんの話してるのかなー?混ざりたいなぁ。
そういえば、猫じゃらし残したの気づいてくれたかな?たくさん遊んでくれるといいなぁ。
あっそうだ!煮干し買って来なきゃ!
やっぱ猫には煮干しで決まりだよね!!
猫ちゃんずの思いがゆめちゃんに届くのは暫くかかりそう。
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